第六十一章 ページ11
ゾムside
朝食も取り、適度に身体を動かし終わった頃。
やることが無くなった俺はいつものようにAの部屋に向かう。
邪魔しないでね、と困ったように言いつつも話しかけたらちゃんと返してくれる彼女とは一緒に居られるだけで楽しく感じる。
窓から行こうかと思ったが、たまには、とドアから入ることに。
三回のノックをしてAの反応を待つ。
どんなに疲れていても明るい声で彼女は返事を返してくれる。
……はずだった。
「……A?」
返事が無い。
どこか行ってるのか。暇だから探しにでも行こうと思い、心当たりのある場所をしらみつぶしに探してみる。
トントンの部屋。
総統室。
食堂。
書斎。
中庭の畑。
バルコニー。
情報管理室。
鍛錬場。
しかし、どこにもいない。
Aが仕事を放って城下町に行くとは考えられない。
だから城内にいるのは確かなのに。
……すれ違いになったかな。
ここにいなかったら今日は諦めよう、とAの部屋に戻ってくる。
再び三回ノックして反応を待つ。
……やっぱりない。
もしかして寝てるんか?
トントン並みに仕事頑張ってるもんな。
寝顔でも拝見しよう。やましい気持ちは一切無しで。
そう自分に言い聞かせて静かにドアを開ける。
Aはいつも鍵をかけないからいつでも入れる。……ちょっと不用心やな。
ベッドか机で寝ているであろうA。
そう思っていたのに。
ベッド、机と順に視線を向けて……下に気付く。
床に倒れ、息苦しそうな呼吸を繰り返すAの存在に。
「……Aッ!?」
呼吸が、心臓が一瞬止まった。確実に止まった。
それを気にするよりも先に彼女に駆け寄る。
抱き起こすと、その火照った身体から熱がある事がわかった。
……理由は。
「……前のあれか」
無茶させ過ぎた。もっと早く終わるべきだった。気遣ってやるべきだった。
そんな後悔に苛まれ、彼女を支える手に力が入る。
ごめん、と一言呟いて彼女をベッドに寝かせ、掛け布団をかけた。
なんか、謝ってばっかりやな、俺。
俺はこういう時にどうすればいいかをあまり知らない。
しんぺい神かトントンに言うべきやな。
……でも、確かしんぺい神は今いないんだっけか。
タイミングの悪さに溜息をつきながら、トントンの部屋に急いだ。
ちょっとだけ待っとってな。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
