第五十二章 ページ2
朝食を終え、自室に戻る途中。
やけに久しぶりに感じる後姿を見つけた。
どこでも煙草を吸っている彼。
受動喫煙というものを知った上での事だとしたら性格が悪い。
『おはよう、大先生』
「うぇ!?ぁ、Aちゃんか……おはよう」
そしてすぐに目を逸らす。
……久しぶりに感じたのは最近大先生がずっとこの調子だからだ。
私の顔を見てすぐにそっぽ向いてしまう。
嫌われるようなことしたかな。
無自覚というのは最低の極み。この機会に謝っておこう。
『あの……ごめんね、大先生』
「え、なんで!?」
『え、違うの!?』
真剣に謝って帰ってきたのは戸惑いの言葉。
え、え、私が知らず知らずのうちに不快な思いにさせてしまっていたんじゃないのか?
『私、大先生に何かしちゃったんじゃ……?』
「何もしてないよ!え、てかAちゃん、怒っとらんの?」
『……何に?』
「……怒っとらんの?」
『……うん?』
今、私が不満に思ってることと言ったら仕事をしないグルッペンに対してだけ。
大先生に対してはまったく心当たりが無い。
女癖が酷いっていうけど私には関係ないし。
大先生は少しフリーズしてから……一気に崩れ落ちた。
「なんや怒ってなかったんかー……!!」
安心したわー!!
そう叫んでいるが状況が理解できない。
私の顔は不機嫌そうに見えるのかな……?
『大先生?』
「いやいや何でもないよ。うん、今日はいい天気だ」
しゃがんでいる彼の名前を呼ぶとシャキッという効果音が付きそうな勢いで立ち上がりスマイルをひとつ。よかった、いつもの大先生だ。
「これだけ雲が少なければきっと今日の……あ、そうや!!」
『……?』
「なぁ、今日俺とお祭りに行かん?仲直りの印に、さ」
『お祭り……?今日あるの?』
「あるんよ〜、Aちゃんの浴衣、用意しとくからな」
そんな話トントン達からは一切聞いていない。
……まぁ、忙しいから関係ないのかな。
それに仲直りの印って、そもそも喧嘩なんてしてないし……。
でもお祭りには行ってみた……
『!!、私仕事あるんだ……』
「え、そうなん?あー、じゃあ無理そう?」
『あ、えっと、ううん。なんとか間に合わせるから!!夕方までに!!』
「そんな無理せんでええんよ?」
多少の無理なんて日常茶飯事だ。
それに、目標があればやる気とか効率とか上がるって聞いたことがある。
間に合わせる……絶対に。
『お祭り、行きたいから!!』
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
