刀よりもスマホが欲しいのですが。【鬼滅の刃】

33．なりそこない ページ36

．

目の前にいたのは鬼に成り果てた柚葉さんだった。


でもなんで？？柚葉さんは鬼になるような人じゃない。いやそもそも鬼にどうやってなるのか知らないけど。
この人は本当に柚葉さん？


『あ、貴方…。誰？』



「あら？貴方が今柚葉さんって言ってたんじゃない。
私は柚葉よ？春川柚葉」



ニタァっと貼り付けるような笑みで答えてくる柚葉さんに似た人は私は柚葉だと答える。


あぁ、心の底から安心した。
この人は柚葉さんではないのだ、と。



『違う。貴方は柚葉さんじゃない』


「何故そう思うのかしら？」


『…ただの勘。でも柚葉さんはそんな気持ち悪い笑顔なんてしないの。もっと可愛らしく、綺麗な優しい顔で微笑むの！！』


私が大きな声で言うと柚葉さんに似た鬼はまたふふふっと不気味な笑みを浮かべる。


「ご名答、その通りよ。私は柚葉じゃないわ。
でも、貴方失礼ね。私に気持ち悪いなんて言うんだもの。



春川柚葉の実の妹に、ね」


『妹…？』


妹と言った。確かに言った。
でも柚葉さんはそんなこと一言も言ってなかったよね、？確かに出会ったばかりの私にそこまで話す必要はないことではあるが。


＿＿＿「春川殿はとても強く、素晴らしい戦士だったのですよ。階級も柱でしたから」

＿＿＿＿「いいえ。私なんて柱のなりそこないです」



刀鍛冶の倫太郎さんが私の日輪刀を届けに来てくれた日の出来事がふとフラッシュバックする。

これは、ただの私の憶測に過ぎないのだけれど。

もしかして柚葉さんは、妹さんが鬼になってしまったから鬼殺隊を辞めた？
自分に責任を感じて。
だから柱のなりそこないなんて言ったの？


私は、私の前で不気味に笑う鬼を見て思った。

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