椿の花言葉って「謙虚な美徳」らしいから控えめに生きてくわ。【QK】 (ページ5)

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解合ページ5

「女性が少ない」

ある日のオフィス。その中心で私は独りごちる様に、だがしっかりと意思を通した声を上げる。私の前には明るい髪色の大柄な男、椿くんがいた。更にその隣には彼の幼馴染、拓哉くんがいる。
今日のオフィスには私達３人しかいないので。
私もそれを分かったうえで発言し、机の上で指を組み宛らゲンドウ氏のポーズで2人を見つめる。それを聞いた2人は一旦顔を見合わせてから困ったように笑った。

「まぁ、そりゃわかるが」
「……わかるけど？」
「いるにはいるんだよ、でもさぁ…最終手段なんだよなぁ…」

椅子の背もたれに大きな背中を預けて天を仰ぐ椿くん。
片眉を顰めて、机に項垂れながら頭を抱えてなにやら考え込んでいる。
隣を見ると、拓哉くんの方も顎を片手で支えながらなんだか不機嫌そうな顔をしていた。もしかしてこの話地雷だったりする？
顔色を窺って見ようにもどう頑張っても視線が合わない。そんな露骨に避けなくてもいいだろうにね。
何かまずいことでもあるのだろうか。

「この話しない方がいい？」
『構わんぞ』
「は？」

未だに視線の合わない拓哉くんの方からいつもより低い芯の通った声がした。私は思わず息を漏らしてしまったけど。
椿くんも少しだけ顔を上げてそちらに目線を向けている。その目線の鋭さには驚いたが。え、2人仲良しな幼馴染だよね？そんな人殺しそうな顔しなくてもいいんじゃないだろうか。元々人相悪いんだから君。
拓哉くんがやけにゆっくりとした動作で顔をこちらに向け、しっとりと目を伏せる。その瞼が開いた瞬間、私は思わず目を見開いた。

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