椿の花言葉って「謙虚な美徳」らしいから控えめに生きてくわ。【QK】 (ページ30)

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それからどれくらい経ったかは分からないが、気持ちよく寝入っていたところを河村に揺り起こされ目を覚ますと、身に覚えのあるホームと喧噪があった。

「帰ってきましたよ須貝さん」

河村にそう告げられ、起き抜けの頭で緩く助かったと思った。そして誘導されるままにホームを抜けて改札へ向かうと、その向こう側に見慣れたアッシュブルーがあった。
彼はこちらに気付くと軽く手を上げて俺たちを迎え入れる。たくさんある改札の端にある切符専用の所を通って行くと、河村はダッシュで彼に飛びついて甘えているし、俺も何だかその様子を見ていたら気が抜けて笑ってしまった。

「兄ぃただいま！！」
「あいよおかえり、ちゃんと待ってたよ」
「知ってる～～～だから好きだわ」
「はいはい。須貝氏もおかえりー」

ほんの数時間前まで結構危険な目に合っていたっていうのにこの椿のいつも通りさ加減といったら本当に。何でもないような顔していつもと変わらない対応をされてしまってはこちらも同じようにそれに応えなくてはならなくなる。
こういうところずるいというか、賢いというか。
遂に俺も観念して軽く握った拳を彼に向けて告げる。

「ただいま椿」

彼もその意図を理解して自分も掲げた拳をぶつけてきてくれた。ちょっと照れるけどまぁ無事に生還できたのも大きな意味では椿のお陰な訳で。その感謝も込めてね。
その後は3人で椿の家に泊って雑魚寝して、次の日も3人揃って出勤したもんだから我らがCEOだったりお喋りなこうちゃんだったり実は嫉妬深い川上だったりにねっとり詰められたのは言うまでもない。

「だから昨日は大変だった訳よ！ちょっとくらいいいでしょーが！！」
「兄者の独り占めは重罪ですよ」
「俺だって兄やんと一緒に寝たかったのに～！」

「須貝さん俺と一緒で零感なのにずるいですよ！！」

あ～もうほんと君たち椿のこと大好きだね！？

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