椿の花言葉って「謙虚な美徳」らしいから控えめに生きてくわ。【QK】 (ページ20)

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小さくぼやいたこうちゃんはすっかりお疲れの様子で一人座り込んでいる。僕が声を掛けても苦い顔をしてたっぷりと息を吐いただけだった。
それを横目に見てお兄さんはいったん伸びをしてこうちゃんの横にしゃがみ込む。何するつもりだろ？
気になって眺めていると、お兄さんは「ふっ」と笑みを溢したかと思うと急にこうちゃんの頭を掴んでそのまま腕の力だけで身体を後ろに引き倒した。こうちゃんもびっくりして「うぇえ！？」なんて情けない声を上げていたけど。
そしていきなり倒されたこうちゃんの混乱も余所にお兄さんは隣に同じように寝転がった。陽の光を真上から浴びてちょっと気持ちよさそうだ。

「え、何？何？？びっくりしたよ？？」
「疲れてんだろ？休憩休憩」
「ならそう言ってよ！」

そのままお兄さんに咬み付いていたこうちゃんだったが、相手にされないのが分かると「も～」と吐き捨てながら脱力する。確かに風も吹いて日向で、しかも芝生の上だし。休憩するならいいロケーションだ。
なんなら僕もちょっとお邪魔しようかな。
そう思い立つと、こうちゃんとは反対側のお兄さんの隣に腰を降ろし帽子を脱いで仰向けに寝転ぶ。そのまま目を瞑り、肺いっぱいに息を吸って深呼吸をする。

「あ～～～気持ちいいなぁ」
「晴れてよかったわ」
「これ寝ちゃうかも」

空を見上げながらお兄さんの方へ笑いかける。「確かになぁ」と隣で笑うお兄さんも手を空に掲げ、目に直射日光が入らないように日差しを避けるようにしていた。
確かにお兄さんの目って色素薄いから日差しには弱そうだな。でも陽の光を浴びてキラキラ輝く瞳とか綺麗なアッシュブルーの髪とかを見ているとそれだけで何となく幸せな気分になる。
ふと、僕はその光景を写真に収めたくなった。ので、一人起き上がり、スマホを取り出し自分の影が陽を遮らないようにしながら寝転ぶ2人へカメラを向ける。
それに気づいたお兄さんは完全に目を閉じて微睡んでいるこうちゃんを肘でつつき、視線をカメラに誘導してくれた。そのまま眩しそうに片目を閉じてピースを決めるお兄さんと寝転びながらポーズを決めるこうちゃんに向けて「撮るよ～」と声を掛け、シャッターを押す。続けて何枚か撮り、満足の行く写真が撮れたのでスマホを仕舞いまたお兄さんの横に膝をついた。

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