検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:8,860 hit

ページ15


スローモーションの様に身体が浮いた感覚を感じたと思ったら、バシャンと大きな音と衝撃がして気付く。これ海だ。気付いた瞬間全身に伴う痛みと冷たさが脳を支配する。
思わず口を開くと勢いよく海水が喉に流れ込んできて、余りの苦しさに咳き込む。けどそれが良くなかったのか余計に海水を吸い込んでしまって、もう悪循環だった。
流石にヤバいと思って顔を水面に出そうともがいてみるけど、どうしてか身体が浮かない。何で!?いや確かにバタバタすると浮きにくいけどこんなに浮かないことある!?人体の浮力無視してないこの負荷。こんな浅瀬でGはかからないはずでしょ!?
暗くて水の中だし碌に見えもしないのに目を開けて頭上を見てみると、意外なことに何か黒い影がぼんやりと見えた。これさっきの煙草って言ってたやつでしょ!?
あぁ、もう息が続かない。どうしよう。流石にヤバいんじゃないだろうか。
これ俺明日になったら浜に打ち上げられてたりするんだろうか。
流石にもうだめかと力を抜いたところで何かに襟首を掴まれ急に海面に引き上げられた。

「っかは、ゲホッ、ぁえ?」
「生きてっか航平?オレわかる?」

盛大に咳き込みながら一生懸命頷く。兄やんだ。助けに来てくれた。あ〜〜めっちゃ嬉しい。いや今それを伝えられる状況じゃないけど。
口の中から海水やら砂利やら色々流れてくるが、今は息をすることが先決だろう。
兄やんの大きな手に背を撫でられて痛む喉を何とか抑え、必死になって息を吸う。細くなった喉からはカヒュとかヒューヒューといったヤバめの音が聞こえてきて段々不安になってきた。俺今ちゃんと息出来てる?酸素足りてる?
考え始めると今度はリズムが崩れてきて「ハッハッハッ」と呼吸が荒くなってきた。あぁ、これ過呼吸だ。息止めなきゃ。


・→←(大煙管)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:QK , QuizKnock , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:眞宮 | 作成日時:2022年9月9日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。