椿の花言葉って「謙虚な美徳」らしいから控えめに生きてくわ。【QK】 (ページ11)

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（化狐）ページ11

「いや～！ホントにあるんだねこんなこと」

居酒屋の席でビールのジョッキで机を鳴らしながら呟く。俺は今、椿と一緒に飲みに来ていた。
というのも、今朝から事あるごとに狐につままれるような出来事が連続して起こるのでその原因を突き止めてもらう為にこうして専門家の椿を呼び出した次第である。まぁ、一つ一つは大した事はないのだが、如何せんタイミングが悪かった。
改札を抜ける瞬間にパスケースが全然見つからなかったり、静かにしなければいけない場面で爆音のアラームが鳴ったり、後は財布のカードが中々出てこなかったり。
地味に嫌な嫌がらせが多発していた。もちろんどれも最終的には見つかるし、元々アラームなどは設定していない。
初めは運が悪いだけかと思ったが、一旦思い返してみてからもしかしたら？と考えた。ので、直々に椿を呼び出した訳だ。
テーブルの向かいに座る俺より大きな体躯をした男を見つめる。改めてみるととんでもなく面がいいのねこの男。見ているだけでPP回復しそうだもの。視聴料取った方がいいんじゃない？

「マァ、狐だろうね」
「マ？そのものなんだ」
「そそ、化け狐くん。須貝氏ちょっと遊ばれてンの」

ジョッキを器用に片手で持って傾けながら面白そうに目を細める椿。その顔も絵になりますこと。まぁ～美人さん。別嬪も別嬪よ。
俺なんかよりも酒に強いし顔は全く素面と変わらないんだけどね。
というか俺遊ばれてたのか…狐に。俺の失敗を横で爆笑してたりしたんかね？いい迷惑なんだけども。

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