椿の花言葉って「謙虚な美徳」らしいから控えめに生きてくわ。【QK】 (ページ2)

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俺が声を掛けるとまた痴話喧嘩が始まって、今度はさっきよりも大げさに椿さんの腕を捻る川上さん。でも顔が笑っているところを見ると動画用のボケだろうな。
笑いながら僕前行きますねとやんわり先頭へ移動する。
2人も自然な動作でまた腕を組んで歩き出す。これ動画サブチャンに上げたら需要あるんだろうなぁ。いい意味でオンオフない感じ。
先頭からカメラだけ向けて歩きながら具体案を探す。

「とりあえず外観から見ますか？」
「そうなー、写真とか先に撮っちまうか」
「んー、じゃ行きますか」

決まってから三人で軽い雑談を交わしながら外観を歩く。途中川上さんがメモを取ったり、調べ物をしたり、椿さんは気ままに写真を撮っていたり。
大分充実した時間になった気がする。
一時間位それを続けて良い資料を集めたら、椿さんが良いくらいの時間に「腹減らん？」と皆を飲食店へ連れて行ってくれた。
お昼時ではあったが、幸いテーブル席が空いていたので三人で座る。
川上さん椿さんと俺が向かい合う、所謂トライアングルの形になった。まぁ、ここまでは想定内。川上さんの事だから椿さんと離れるのは嫌だろうし。
椿さんからテーブル脇のメニューを受け取って、吟味する。
向かいの2人は一つのメニューを共用で見ていた。いや仲良しかよ。
少しして皆の注文が決まった頃に、椿さんが手を上げて店員を呼びつける。
手、長。爪先の最高到達点があまりに高すぎるよな。

「ご注文以上でよろしいでしょうか？」
「大丈夫です」
「ではごゆっくりお待ちください」

言いながら少し顔を赤らめている店員さん。まあ椿さんの顔面見て照れない人類はいないからな。椿さんの方も人好きのする笑顔で対応するから余計だ。
隣の川上さんも慣れているようで、視線も向けずお冷を傾けていた。
こういうの気にするかと思ってたけど。

「そういや記事いいのまとまった？」
「大筋は」
「おー、晃樹は？」
「話題は決まったので後は川上さんと擦り合わせてですかね」

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