第５話。 ページ8
トンきゅんｓｉｄｅ
・
・
ト「……うさ丸」
う「え？ どうしたっスか？」
ト「―――うさ丸はAさんの能力、知ってるんですか？」
目の前の少女は、今まで一度も
能力を発動させていなかったように思える。
だとしたら。
もし、そうなのだとしたら、赤間代表よりもAさんは―――。
・
・
ト「……遥かに強い？」
そうとしか考えられなかった。
能力を発動させている赤間代表のクリスタルを、何もなしに破壊するなんて。
タイムアップ３分前のアナウンスが流れる。
もう、二人には時間が無かった。
―――……そんな時に、ついにAさんが動く。
手にはスタンドマイク。
赤間代表は慌ててとどめを決めにいく、が。
もう遅かった。
・
彼女が息を吸い、棒立ちのままマイクに吐き捨てた言葉は。
「―――ごめん赤間。今回も私の勝ちね？」
赤「……〜！」
その勝利宣言と共に、マイクを赤間代表に向ける。
星屑のように。
赤間代表のクリスタルは、全て砕け散って。
無感情なアナウンスが、タイムアップより一瞬早くAさんの勝ちを伝えた。
赤「あーあ……また負けた的な？
今日はいけるかも、なんて思ったんだけどな……残念」
赤間代表は観客席にひらひらと手を振り、突撃してきたにゃみりん先輩を
グイグイと押しのけながらプールを後にしていく。
う「姉ちゃんが勝ったっスね……」
ト「……ハイ」
段々と緩んでいく雰囲気の中、帰ろうとした俺とうさ丸の前に現れたのは。
「どぉも、トンきゅん……と、弟よ」
ト「A……さん？」
あんなに動き回っていたのに息一つ乱さずに、あの時と同じく眠たそうにするAさん。
う「姉ちゃん、今はぼくうさ丸って言うんスよ！
とりあえず赤間先輩のは悔しいっスけど、おめでとうっス！」
「どーもどーも……」
ぴょこぴょこと跳ねながら話しかけるうさ丸。
テンションの差が凄まじくて、まるで兄弟だとは思えないけど。
・
・
「トンきゅん」
ト「―――え、どうかしました？」
帰り際。
Aさんにふと名前を呼ばれて、振り返る。
すると色味のない表情に少しだけ笑顔を形作り、Aさんが言った。
・
「―――あの時は、まぁ……ありがと」
俺に、少しでも役に立つことができるなら。
ト「……はい」
・
たまにはこうして貴方と会うのも、いいですね。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←第４話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルキア - このままだとトンきゅんオチっぽいっすね♪まあいいんスけど♪トンきゅん大好きっす♪ (2015年8月17日 14時) (
レス) id: 265bcfd53b (このIDを非表示/違反報告)
なふ子 - ログインパス忘れたぁぁぁ (2015年6月20日 8時) (レス) id: 02261db8f5 (このIDを非表示/違反報告)
なふ子(プロフ) - マルチーズさん» ありがとうございます！ 嬉しすぎます！！ (2015年5月30日 7時) (レス) id: 02261db8f5 (このIDを非表示/違反報告)
マルチーズ - おもしろいです！とんきゅんかっこいい！応援してます！ (2015年5月30日 6時) (レス) id: 99d9715d54 (このIDを非表示/違反報告)
なふ子(プロフ) - 明日からテスト…がんばれ自分← (2015年5月27日 18時) (レス) id: 02261db8f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
