_丸々 ページ22
。
目を覚ますとそこは知らない場所だった。
洞穴のようなところでひんやりとして心地がいい。
「目が覚めたかい？こねこくん。」
声にびっくりしてそっちを向くと鼠というよりハムスターの様に丸々と太って、ほっぺたがプニプニとした薄茶色の鼠がいた。
僕はこのひとに助けられたんだろうか。
起き上がろうとすると彼は
「おおっと、暴れないでくれよ、いやぁ〜びっくりしたよ、朝散歩してたら突然猫が倒れてるんだもん。しかも天敵のね？」
何が面白いのか、鼠さんはチュチュッと笑っている。自分は食べられていたかもしれないのに。本当におかしなひとだ。
「ワンッ！」
外から犬の声が聞こえた。
「あっ。紹介するよ。彼が君を運んで来てくれた犬のシェパー君だよ。シェパードじゃないのにね？」
彼はまたチュチュッと笑った。
「自分の名前くらい自分で言える。お前は？」
彼は僕に聞いた。
僕に名前は、ない。
「えっ？！名前が無いの？！じゃあ僕が付けてあげるよ！何にしようかなー。チュー？チュンチュン？チュリー？あ、僕はライ！」
「…あのなぁ。名前ってのはそんな簡単なものじゃねえんだよ。一生付き合っていかなきゃなんねえんだ。俺たちが易々決めていいものじゃ無い。」
ライ君はちぇっとつまらなそうに舌を鳴らした。
やっぱり、不便なのかなぁ。
続く
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白の悪魔(プロフ) - 名無しのじんべぇさん» ご愛読ありがとうございます。励みになりました。頑張ります。 (2018年3月18日 1時) (
レス) id: 468f3e0f33 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのじんべぇ - 素敵な作品ですね。世界観に惚れました。最新頑張って下さい！ (2018年3月18日 1時) (レス) id: acea8b00f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白の悪魔 | 作成日時：2018年3月17日 2時
