【男主】俺が訳あってお隣さんと同棲している件。【オリジナル】

02 ホームレス？ ページ3

「……ねむい」



欠伸をしながら、アパートのそばにある公園を通り過ぎる。

街灯に照らされた夜の公園の時計は、既に１０時を指していて。静かな住宅街の中に、

微かなギアの音だけが響いていた。



「早く風呂入って寝たい……」



最近寝不足であんま寝れてないんだよな……。

少し憂鬱になりつつアパートまで帰ってきて、そして。



「！？」



え、なに。


俺の部屋のドアのとこに、誰かがうずくまっていた。

暗くてよく見えないんだけど、男？



「……あ、永江くんだよね？ 俺だよ、俺っ」


「えっ、あの、通報していいですか」


「極端過ぎだよ永江くん」



いや、どう考えても不審者じゃないですか。いきなり「俺だよ、俺っ」って。

誰だよ！



「あのさぁ、頼みがあるんだけどなg――」


「しっ！」


「むぐ！？」



口を塞いで黙らせて、目を凝らす。

あっ。



「朝のお隣さん……？」



お隣さんはこくこくと頷いて、喋れない代わりに手足をバタバタさせ始める。

やめろ。夜だぞやめろ。



「―――ね、俺永江くんが出てってからずっと待ってたんだよ？」


「え……なんでですか」


「なんでって……まあここじゃあれだから、君の部屋で話そうか！」



そう言ってお隣さんは笑った。

正直これ以上関わりたく無かったんだけどな。

なんか明るい話し方の割に目が死んでてあまりにも可哀想だから、仕方ない。



「――カギ開けてあげるんで、入りますか」


「……いいのっ！？」


「だから静かにしてって言ってるでしょう」ｲﾗｯ



こっちは眠くて眠くて仕方ねぇんだよ。黙っ・て・ろ！

そんなこんなで、俺はお隣さんを部屋に入れることになってしまった。


あー、ほんとなんなんだよ、もう。

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