31話 午後七時 コナンSide ページ34
午後六時四十分。俺達は、中森警部やAさんの居る監視室で画面を見ていた。
関係者以外は美術館外に出され、外でキッドコールを叫んでいる。
そんな人々の様子が映し出されているテレビ画面を見て、Aさんが苦笑いをした。
「はは、キッドって人気なんだねぇ……何時か、キッドグッズとか売られ始めそうだ」
Aさんがいう。
俺も苦笑いをしてから、目の前の画面を見た。誰も居ない美術館内の景色が映し出されている。異変は無い。
「Aさん、此処に居て大丈夫なんですか?ムーンラピスラズリの所に居た方が…」
俺達の背後に居た安室さんがAさんにいう。
「大丈夫ですよ。ほら、見ての通り、あの三人が着いて居ますから」
Aさんは画面の一つを指差し乍いう。
そこには、ムーンラピスラズリを囲んだ三人が映し出されていた。
俺はAさんを見て、気になった事を聞く。
「あの三人も……異能力者なんだよね?」
「うん、だから大丈____ッ済みません、失礼します」
Aさんはそういって、勢い良く監視室を出て行って終った。
俺は呆気に取られてしまう。何か画面に異変が有ったのかと思いざっと見てみるが、異変は見つからない。
「安室さん沖矢さん、何か気付いた?」
「いや、何も……」
時刻を確認するもまだ午後六時五十分。予定時刻より十分早い。
するとムーンラピスラズリが展示されている部屋で動きが在った。
その場に居た俺達はその画面に釘付けに為った。
そして部屋の外で誰かがどたばたと走って来る音がして、勢い良く戸が開いた。開けた人物は、武装探偵社の中島敦という人だった。
血相を変えて、息が切れている。
「ムーン、ラピスラズリが………ッ!」
最悪の事態だ。
ムーンラピスラズリが展示されている部屋の一部を画面を拡大する。
「キッドに…怪盗キッドに盗まれました!!」
ムーンラピスラズリは、確かに消えていた。
いつの間に、奴は動いたのだろうか。
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作者名:さくら志摩 | 作成日時:2018年7月22日 23時