22話 特広社長の秘密 ページ25
特別広域探偵社…長いので“
武装探偵社へ出勤する前に、私は特広探偵社へ足を運んでいた。
流石にまだ誰も出勤していないが社長室で物音がした。
気になったので入ってみると、萩原が椅子に座り腕を組んで目をつぶっていた。どうやら、寝ている様だ。
「なんだか最近家に居ないなと思ったら……大分溜まってるんだろうな」
私はそういいながら机の上の書類の山を見て大きく溜息を着いた。この爆睡の仕方だと…うん、連続徹夜記録更新したなこれ。
私は近くに在った黒い外套を萩原の体に掛けた。
腕時計の時間は7時36分を指している。
まだ時間有るな、珈琲でも容れてあげようか。けど、お父さん何時起きるかな……。
そんな事を考えながら社長室をうろうろしていると、机の上の写真が目に付いた。
ん……?
手に取り見てみると、それは武装探偵社の福沢社長を初めとする、調査員三人が映った写真だった。
福沢社長と、与謝野先生と、乱歩さんと、国木田さん?
どうしてこんな写真をお父さんが…。
気になる。
もっと机を探してみたら、もっと色んな事が知れるのかもしれない。
私は手前の書類に手を伸ばした。
「ん……」
「ッ!」
私は伸ばしかけた手を引っ込め、写真を机の上に戻した。
「………Aか」
「御早う。連続徹夜連続更新したでしょ?大丈夫?」
私はいう。
「ああ……そうだな」
「そうだなじゃないでしょ?本当に仕事の鬼。いつか壊れるよ」
「杞憂だ。俺だってまだ若い」
「いつまでそうやっていうの。いくら若くたって仕事し過ぎたら壊れるよ」
私はそういって笑った。
そして、「もう行くね」といって戸の前まで来た。
「お父さん。寝起き早々申し訳ないんだけど、質問していいかな」
「なんだ」
私は少し振り返る。
「武装探偵社に私と升君が行った理由は、中島敦の護衛でしょ?どうして、武装探偵社側に私達の事を伏せる必要があるの」
最初から之が疑問だった。
護衛ならば護衛対象に伝えるのが良いのではないか。
「理由は単純だ。公にすれば、ポートマフィアへ情報が行きやすくなる。だが、公にしなければ情報が行く迄の時間を稼げる」
「……本当に単純」
私はそういって笑った。
そして「行ってきます」と、萩原にいい社長室を出た。
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作者名:さくら志摩 | 作成日時:2018年7月22日 23時