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19話 しつこい ページ21
目が覚めて早々に男の人に顔を覗き込まれた。
誰だこの人。ルイスとお父さんの次にイケメンじゃないか←
いや、そんな事は正直どうでもいい。誰だこの人。
｢Aちゃん、久しぶりだね｣
｢……は？｣
うん、ごめんね。誰だこの人。久しぶりだね？会った事有るっけ。
あ、若しかしてこの前の犯罪組織の人？何人か逃げ出して捕まえられなかったんだよね。
まあ。見覚えが無い、という事は会って無いのだろう。
｢ごめん、誰？｣
｢えー？覚えて無いの？｣
その人はいう。
｢ごめん、本当にわからない。会った事も無いし見た事も無い………と思う｣
私はいう。
｢えー？太宰治だよ？本当に覚えていない？｣
｢太宰、治……｣
なんだか、聞いた事有りそうだけど無い。
私は顎に手を当てて考える。此処迄しつこいという事は、太宰は過去私に会った事が有るのだろう。だが、本当にわからない。
じっくり太宰を見る。
髪型、瞳、顔立ち、服装、包帯。………んん、包帯？
この人怪我してんのか。結構広範囲に巻いてるけど…炎にでも突っ込んだのかな。火傷？
｢…………郵便配達してた？｣
｢うん、ごめんね。人違いだったみたいだ｣
郵便配達と言われたのが余程嫌だったのか、太宰は引いて行った。
結構しつこかったな。
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作者名：さくら志摩 | 作成日時：2018年7月22日 23時
