1話 八時開始 ページ3
ジリリリリリリ___
けたたましく鳴り響いた目覚まし時計の音。
私は朦朧とした意識の中、目覚まし時計を止めた。
「う…ぅ……」
体が重い、怠い。
昨日の依頼での乱闘が、かなり体にキている様だ。
昨日、異能力犯罪組織が仕掛けた爆弾の解除を任され解除に励んで居ると、背後から敵に鉄パイプで体を殴られボコボコにされたのだ。
まあ酷い遣られ様だった訳で。
兎に角全身青字だらけ。更に極度なアクションも多々在った。
……打ち身・切り傷・筋肉痛が重なり合って、体が最悪なハーモニーを響かせて居る。
絶賛演奏中だ。
「ッあ……いてて…」
本当、物騒な仕事。辞めてやろうかと何度思った事か。
私はギシギシと油の切れたロボットの様に動きながら、階段を降りる。
階段を降りて居間に行くと、居間には誰もいなかった。
あれ、今何時……。時計は7時半を指している。
確か今日は、特別広域探偵社で朝から重要な会議が有るとかなんとか。
会議開始時間は、8時丁度。
……うん。間に合う。
私はワイシャツを着て細身の少しハイウエストな黒いパンツを履く。ウエストの所に釦が着いていて、裾の方へ行くに連れて広がっている。
ワイシャツの袖を捲り、その辺に在った黒いネクタイを占めた。
そして肩掛け鞄に携帯と手帳と万年筆を詰め込む。
スニーカーを履き戸の鍵を占め、私は走った。
全身が悲鳴を上げる。
「ッ痛あ!!」
叫びそうになるが堪える。……否、堪えられない。之は無理だ。
腕時計で時間を確認。現在7時50分過ぎ。
私は時間短縮の為、花壇に突進した。
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作者名:さくら志摩 | 作成日時:2018年7月22日 23時