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序幕 ページ2
しっかりとした記憶が残っているのは、引き取られてから。
その間の記憶は、漠然としていて良く判らない。
私が齢十の頃に母が死に、そこから孤児院で暮らしていた。
そして孤児院から引き取られたのは二年経った、十二の頃だった。
そんな私だから、謎が多い。
私が持つ異能力の本質も、私でさえ知らない。
使おうと、思ったことはなかった。
今まで使ってきたのは、身の危険を感じた時だけだったのに。
『なんと恐ろしい事でしょう』
『此少女が、あんな事件を起こしたのか…』
『可哀相に』
私の異能力は、そんなに恐ろしい物なの。
可哀相と言われなければ為らない程の力を持っているの。
十二歳乍に私は、沢山考えた。答えに、辿り着く事は無かった。
今も未だ辿り着いていない。
此問いの答えが解れば、私がこんな言葉や視線を浴びせられた理由が、
少しでも判ればいいのだけれど。
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作者名:さくら志摩 | 作成日時:2018年7月22日 23時