ショットピースの香りでかき消して【syp】 (ページ2)

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「あんまそーいうこと男に頼まん方がええで。」

ショッピの言葉を理解するべく頭を回転させようとした。
だがそれも叶わず、ショッピの少し大きな呼吸音の後、首元に確かな痛みが走る。

『い"ぁっっっ』

思わず顔を歪めてしまう痛み。
世の中の男女や吸血鬼はこんなことを快楽として楽しんでいるのか。理解に苦しむ。
どんな感じになっているのか少し気になり顔をそちらに向けようとするがふわふわなショッピの頭が見えるだけで何も見えなかった。当たり前か。

がぶがぶと噛まれること数十秒。じわじわとした痛みが首元に残る。
不意にショッピががばりと顔を上げてこちらを見てきた。

『つけ終わった？』

そう聞くと何故か不機嫌な顔をしてもう一度首元を見つめる。自分でも確認しようとするが首の位置もあり見えずらかった。ショッピを噛むのを辞めたのだから痕が着いたのだろう。

『ありがとショｯ…うゎ』

ぬめりとした感覚がじくじくと痛む首元にかかる。熱い何かが這うような感じ。何事。

…ショッピが首元を舐めている。理解をするのに少し時間がかかった。首元を舐めている？何故。かと思ったら時折吸うような仕草もされる。

ふわりと頭がクラクラするような力が抜ける感覚。血が吸われている感覚、だろうか。たまにじゅっという音が聞こえる。耳に悪い。

『ショｯ…ん…はぁ……』

ショッピを抑制しようとするが、身体の芯が熱くなるような感覚に襲われ熱を逃がそうと声が出てしまう。あつい。息も頭もあつくて沸騰しそうだ。
頭がぽーとする。全身を支えている腕の力を抜いたらそのまま後ろに倒れそうだ。それは避けたい。

荒い息を続けているとまたもやチクリとする痛みに首元が襲われる。
何してるんだ。と思っているとショッピが顔を上げる。にんまりと意地の悪い煽り顔を浮かべて。唇が紅くなっているのは多分私の血だろう。なんだか色っぽいなこいつ。

「つけ終わりましたよ璃杏サン」

『ありがと。最後の必要あった？』

「あれ血止めてたんすよ。感謝してくださいね。」

完全に舐め腐っている。危うく拳が出そうになった。長女だったから我慢できたけど長女じゃなかったら殴ってたよ。