[177] M side ページ2
自覚してしまった想いは、性別なんて関係なく…
俺は出会った瞬間から翔くんに惹かれていたんだって
俺は翔くんのことが好きなんだって気持ちを、…我ながら大丈夫か?って思うくらい抵抗無く受け入れてしまったけれど
こんな辛い過去を持つ翔くんに
その彼に想いを寄せている俺が、何を言えるだろう………
そんなことないよ、なんて言えないし
翔くんは性別関係無く魅力的なんだよって、これは心から思うけど、やっぱり簡単には言葉にできなくて
ただ翔くんを見つめるしかできない俺を見て
翔くんは困ったように眉を八の字にして苦笑いした
「わりぃ…、こんな話されても松本が困るよな…」
翔くんが辛そうに言うから
俺は無言で首を横に何度も振った
「……松本は優しいな」
「え・・・?」
意味がわからなくて、無言続きだった俺の口から1音だけ声が出た
「…なんて言うんだろ?
なんかさ、わかるんだよ、松本が俺の話に心を痛めてるってゆーの?…そういうのがビシバシ伝わってくる」
翔くんが八の字眉のまま俺を見つめてる
「中学の事件は校内で起こったから多少知られちゃったけど、誘拐の話は関係した大人たちと智くんたちしかマジ知らない話で…
まぁもしかしたら俺の知らないとこで吹聴してる大人がいたかもしれないけど、家族や智くんたちは絶対に言わなかったし、俺も話したことなかった」
すっかり冷めてしまったカフェオレを手にとって一口飲んだ翔くんは、「ぬるい」と小さく呟いてからまた俺に視線を戻した
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作者名:りん | 作成日時:2020年9月5日 16時