一途なMS短編集<3>

○○ーの日 [1] ページ1

いま俺の目の前には翔くんがいて
ポリポリとナッツの蜂蜜漬けを食べながらワインを飲んでいる


翔くん＋ナッツ＝栗鼠


なわけで


当たり前に可愛いわけだけど



今日は…別の動物にもなってもらう予定･･･
なんてことは翔くんには内緒


｢ナッツは塩味って思ってたけど蜂蜜も合うんだなぁ。凝り固まった概念は捨てるべきだな｣



そんなことを呟きながらうんうん頷くご満悦な翔くん


可愛い



｢そうだね
でも食べ過ぎは禁物だからね！｣


｢･･･むぅ･･｣



早めに釘を刺したら、翔くんが不満顔になったけど



ナッツと蜂蜜･･･
体にも美容にも良いのはわかってるしイメージより低カロリーらしいけど
やっぱりナッツは食べ過ぎちゃダメ



ワインも飲んでるし、もう10時過ぎてるし
いつもの俺ならこんなおつまみ出さないよ？



なぜ出してるかというと



｢蜂蜜の日？｣


翔くんに教えたら、またポリッとナッツを噛んでキョトンとした


｢うん、正確にはハニーの日、らしいよ
8月2日でハニーだって｣



｢へえ♪
ホント色んな日があんのな。それで蜂蜜漬けかぁ
松本さんはお洒落さんだな♪｣



酔いが回ってきた翔くんはニコニコしながら俺の頭を撫でてきた


･･････。



酔っぱらい翔くんは通常の翔くんとは違う可愛さを放つから、毎回(俺以外には見せてほしくない！)って思う


無理なんだけどさ……



今も仕事中に見せるキリッとした姿は消え失せて、表情も動きもふにゃふにゃしてる



…でも、これは俺と2人の時だけってのも知ってるんだけどね



翔くんはお酒に弱くない



友達との飲み会でも仕事関係の飲み会でも、楽しく沢山飲むけど大丈夫
たまにべろんべろんに飲み過ぎて記憶飛ばすこともあるけど


でも、やっぱり違うんだ



俺と2人の時は…


酔うのが早いというか…



色気が出てくるというか…


俺を含めた数人で飲む時にだって出てこない翔くんのゆるっゆるな姿


俺にしか見せない表情


だから嬉しいし
堪らない

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