嫌よ嫌よも好きのうち【白布賢二郎】

７話：見捨てられた男 ページ8

「1年いいの入ってきた？」


一年の部活体験も終わった頃。私の部にも沢山の子達が入部してきた。


我々バレー部は強豪のためほとんどの人がスポーツ推薦で入ってくる。
実際女バレはそうだった。男バレはどうだったんだろ？



「1人めんどくさいのが来た」


あからさまに嫌そうな顔をして返事が返って来た。

「性格悪いの？」と聞いたら「いや、そういう訳じゃない」と言われ、じゃあなんだよと少し興味が湧いた。







＊







辺りが薄暗くなり始め、部活時間終了の放送がかかった。


「先輩！！行かないんですか！？」

「うん！ちょっと残ってく！部室はうちが閉めるから」


私がそう言うと、大声でありがとうございますと深くお辞儀をして後輩は寮に戻っていった。



なかなかいい子が来たもんだ。礼儀正しいし、やる気もあってバレーも上手い。

いやーこれでこの部も安泰あんた_____「お願いしますっ！！」？？



「もう1回！もう1回だけ！」

「絶対イヤ」


声の先にはめんどくさそうな顔をした白布と、見たことのないパッツン頭。





「もう1回って・・・それ言うの何回目だよ。もう無理」

「あ゛あ゛・・・待ってくださいよー！」



ガシャンと音を立てて無慈悲に扉が閉まった。




完全に見捨てたな、あいつ。

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