願事レコード2.

★100(Alan) ページ50

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顕嵐side





問いつめたりとか、本当はしたくなかったな。




「えっ、と…」

顕「…これ、美勇人くんから預かった」





Aの前に、差し出したそれ。

多分、本だ。書店の紙の袋。
中身は見えないけど小説くらいの大きさ。分厚さ。







顕「………それ、本当に美勇人くんから？」





無言で、袋を開けるA。


美勇人くんが本を贈る事なんてあるのか？って。

俺は何となく気付いていながらも
こういうとこ捻じ曲がってんな、と自分でも思う。





「みゅう先輩…からじゃ、ないね」

顕「…何それ？」

「ミナト先生の最新刊…」

顕「は？」

「…月曜日、出たばかりなの。
私の好きな小説家」






全くもって意味不明だった。

俺はAが小説を好きなことも、
好きな小説家がいるなんてことも知らない。


俺の知らないAを、知ってる人が贈ったものだ。






「顕嵐、」

顕「なに」

「泣きそう…」

顕「いや、何で、」







目に涙を溜め込んだAは、本を手にしながら言った。









「泣きそうなほど…嬉しいの。
覚えててくれたんだなって…」

顕「……」

「………やっぱり、好き」







その"好き"は、俺にじゃない。


泣きそうなのは、俺も同じなんだけど。





「北斗先輩が、好き……っ」









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作者のちゃんです。

これにて願事レコード2、次へ移行します！
いやぁ…切ないっ！！
けど、恋愛ってこうだよね。と思うのです。
誰かが幸せになれば傷つく人もいるということ。

さてさて3はというとですね、
急展開があるかもしれないです。
それから今、片恋の連鎖状態で甘酸っぱい恋愛模様をお届けしているつもりなのですが今後…いややっぱり秘密。(意味深)

コメントがお力になりますし、評価お気に入りのほうもして頂けると嬉しいなと思っております。

読んでくれてありがとうございました＊

ちゃん

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