願事レコード2.

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"好き"

わたしに向けられていないその言葉は、
ぐさっと胸に突いたけど。



でも、それよりも。









「えっ……」


北「はは、そんな事あんの！？って思うでしょ。
仲良くなって自分でも、
ちょっといい感じじゃん？って思ってたらさ、
彼氏の相談事されたんだよ。笑えるよね」









あはは、って……。先輩、笑ってないよ。
笑えないし。









北「全然気付かなかった俺もあほだしさ、
そこで引き返せれば良かったのにそれも出来なかった」


「………」








先輩の言葉数が増えたのに対して、
私は言葉に詰まってしまう。
なんて言ったら良いのか分からない。









北「けど、好きでいるのは自由かな？って。
それにたぶん、スミレ勘は良いと思うから
俺の気持ちに気付いてると思うし」


「……そんなのって、ずるい」






北斗先輩の気持ちに気付いているのだとしたら、
弄んでない？


それなのに、北斗先輩に甘えてるの？…







北「…うん、まあね。
でもそれは俺も分かってる」


「分かってるって？」


北「結局、好きな気持ちが勝つと思わない？
彼氏と上手くいってない、って慰めるのも、
彼氏のプレゼント選びに付き合わされるのも、
結局のところスミレが好きだから相談に乗ったりして…」









" 会えたら会えたで、全部どうでも良くなる "






って。









………私も、そうか。









北「それにあいつ、俺より友達居ないっていうか。
だから……必要とされるのなら、それに応えたい」









北斗先輩の瞳は揺るがなかった。

真っ直ぐわたしを見つめて、それに吸い込まれそうになる。





自分で決めたこと。それに後悔はないと、
そう言ってるみたいだった。







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