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それから一番窓際の席に座って、窓を少し開けた。

冬の冷たい風が吹いて、寒いけどでも
心を落ち着かせてくれるよう…な………








「あの車…って、」







数日前、見た車が門の外に止まったのが見えた。

そして、降りてきたのは…スミレさん。









「まさか、」









北斗先輩を迎えに来たのかな。
先輩の姿は見えなくて、
だけどスミレさんは門の前で誰かを待っているようで…

今日、クリスマスだもんね。






やっぱり、北斗先輩は…スミレさんと過ごすのかな…








「……っ、はあ、」






これほど好きなんだな、私。
どんどん気持ちは膨らんでいくみたいに、涙が溢れてくる。



"好き"の言葉を封印していたけどもう無理。









私は…北斗先輩が好き、なんだ。








顕「あ、Aいた」

「っ、」








急に教室の扉が開いたから背中がびくっとした。
バレないように、涙を拭いた。








顕「どこ行ってたんだよ。
電話したのに出ないし職員室にまで行ったんですけどー?」







喋りながら私の真横まできた顕嵐は、
なあ聞いてんの?って私の顔を覗き込んだ。







「き、聞いてるっ!」




咄嗟に下を向いたけど







顕「…は、泣いてたの?」


「泣いてない」


顕「………」






バレた。と、同時にまた外に目がいってしまう。
見たくないのに。









顕「ながつ?…
あいつだいぶ反省してたから許してやってよ、」


「もうへーき、」


顕「勝手にポーチ開けたのも飴食ったのも
全部あいつが悪いんだし。俺が説教しといたから」


「もうへーきだって、」


顕「……何が平気なんだよ」






窓の外、見てた私の視界を遮って。
顕嵐は私の前に立った。







顕「………この先の何を見てそんな顔してんの?」









ああ…出た。顔に出てる?
もう私の周りには、顔にすぐ出るって思われてんのかな。







「そんな顔?なんのこと………っ、」


顕「……俺見てないから。泣いていいよ」









顕嵐の腕が、私の背中に回ってきた。
私が人前で泣くの嫌なの分かるから、きっとそうされてる。
優しく摩られている手から、温かい温度を感じる。







「…ありがとう」

顕「うん、」







そのまま、顕嵐に頭を寄せながら涙を流した。







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ちゃん(プロフ) - 【パスワードに関しまして】続編へはパスワード設定がされています。ちゃんのプロフィールからメッセージを送ってください。個別での対応になります。ご了承ください。 (2020年3月18日 0時) (レス) id: d4966cdef5 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - いつも楽しくお話読ませていただいてます!jigsaw puzzleのパスワード教えていただきたいです! (2020年3月17日 22時) (レス) id: aa1a06e69d (このIDを非表示/違反報告)
yumero1215(プロフ) - いつもお話楽しく読ませていただいてます!jigsaw puzzle のパスワードを教えていただきたいです!これからも更新楽しみに待っています! (2020年3月14日 23時) (レス) id: 777ad33da3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします* (2020年1月24日 0時) (レス) id: d4966cdef5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - この作品凄く好きです(;;)続き楽しみにしてます! (2020年1月15日 8時) (レス) id: d4afa85270 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃん | 作成日時:2018年7月29日 0時

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