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教室に戻って、
メイちゃんに怜央の部活の終わり時間を伝えては
鞄を持って図書室へ向かった。
「…っ北斗先輩！！」
北「……図書室は静かにして下さい？」
走ったからか、息切れする私を見て
北斗先輩は可笑しそうに笑っている。
北「忙しい子だね、ホント」
「せ、先輩！！テスト！！見て！！」
私は何かが吹っ切れたかのように、
鞄の中からファイルを取り出した。
北「あ、全部返ってきたんだ？」
「いつもより良い点取れたんです…！」
北「へえ………あ、これ暗記出来たんじゃん、」
ひとつひとつ解答用紙を見て、
いつになく興味津々に問題用紙と照らし合わせていた。
見上げた北斗先輩の顔は、
いつもよりも優しいんだ……
北「じゃあ次は…一教科でも100点取らないとな」
「え」
北「え？得意な科目なら取れるでしょう？」
「100点なんて取ったことない！いっつも平均点…」
北「絶対嘘じゃん！」
「あ、小学校の時なら…！」
北「あれは100点しか取らないやつでしょ」
「はい！？北斗先輩て鬼ですね」
優しいなあと思ったら、そうでもなかったみたい。
勉強の鬼。
それでいてこの人頭良いもん。私と比べ物にならないくらい。
北「っていうか、普段から勉強してれば
テスト前に焦って勉強しなくて済むのに」
「頭良い人って嫌だあ………」
ちょっとムカっとしながら
テストを集めてファイルにしまった。
褒めてもらえるかな、って思ったのに。
北「けど、これ前回の点数でしょ？」
一学期のテストの点、紙に自分でまとめたんだった…。
それもファイルにしまってたの忘れてた。
のを、北斗先輩は既に見ていて。
北「……お。全教科上回ってる」
「先輩の、このノートのお陰です…」
北「いや、俺は何も。
頑張ったんだね」
………やった、褒めてくれた。
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作者名：ちゃん
| 作成日時：2018年5月11日 23時
