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その後、お客さんも来たから
話はそのまま流れた。
バイトが終わって、みゅう先輩は
夜勤帯の先輩に捕まっていたので
それを良いことにしれっと先に帰った。
「あ、」
帰宅してラインを開くと、
顕嵐から着信があったのに気付いて
折り返し電話をかける。
顕「…もしもし?」
「ごめん、バイトだった」
顕「お疲れ。帰ってきたとこ?」
「ありがと。今帰ってきた!」
顕「お前今日本当に勉強したの?笑」
「え?したよ?バイト前にちゃんと!」
顕「ふーん?」
「さっきの電話は?なんかあったの?」
顕「あー、明日一緒に勉強する?って聞こうと思って」
今日俺もAと学校残って勉強すれば良かったなって、
と顕嵐は言う。
たぶん、私を一人学校に残して
みんなで映画行ったのを気にしているのかな。
私が断ったのに。
顕嵐は何だかんだ優しい。
「…んーん。みんなで勉強しちゃうと、
私が集中出来なくなっちゃうし!
一人でがんばるよ」
それなのに、私は嘘をついている。
顕「…そう?じゃあ俺も、一人で勉強するわ」
「う、うん。がんばろ!」
顕「合計点勝負な」
「ええ……?」
顕「負けたほうは勝った人の言う事聞く」
「そうやって自分が勝てそうだからって…」
顕「勉強頑張るんでしょ?俺に勝てば?」
「うーわ。ムカついた!!!」
顕「ふ。笑
じゃあまた明日学校で」
……私の頭の中は、
明日からどうやって
みんなに知られずに図書室へ行くか、で。
別に誰も傷つけやしないと嘘をついているんだ。
そんなの、ずるい言い訳でしかないんだけれど。
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作者名:ちゃん | 作成日時:2018年5月11日 23時