検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:119,853 hit

★20 ページ20

.





その後、お客さんも来たから
話はそのまま流れた。




バイトが終わって、みゅう先輩は
夜勤帯の先輩に捕まっていたので
それを良いことにしれっと先に帰った。






「あ、」






帰宅してラインを開くと、
顕嵐から着信があったのに気付いて
折り返し電話をかける。








顕「…もしもし?」


「ごめん、バイトだった」


顕「お疲れ。帰ってきたとこ?」


「ありがと。今帰ってきた!」


顕「お前今日本当に勉強したの?笑」


「え?したよ?バイト前にちゃんと!」


顕「ふーん?」


「さっきの電話は?なんかあったの?」


顕「あー、明日一緒に勉強する?って聞こうと思って」








今日俺もAと学校残って勉強すれば良かったなって、
と顕嵐は言う。





たぶん、私を一人学校に残して
みんなで映画行ったのを気にしているのかな。

私が断ったのに。

顕嵐は何だかんだ優しい。








「…んーん。みんなで勉強しちゃうと、
私が集中出来なくなっちゃうし!
一人でがんばるよ」








それなのに、私は嘘をついている。









顕「…そう?じゃあ俺も、一人で勉強するわ」


「う、うん。がんばろ!」


顕「合計点勝負な」


「ええ……?」


顕「負けたほうは勝った人の言う事聞く」


「そうやって自分が勝てそうだからって…」


顕「勉強頑張るんでしょ?俺に勝てば?」


「うーわ。ムカついた!!!」


顕「ふ。笑
じゃあまた明日学校で」









……私の頭の中は、
明日からどうやって
みんなに知られずに図書室へ行くか、で。





別に誰も傷つけやしないと嘘をついているんだ。

そんなの、ずるい言い訳でしかないんだけれど。






.

★21→←★19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (146 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
483人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちゃん | 作成日時:2018年5月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。