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北「ああ……えっと…A、だっけ？」
一度、頷いた私に
はいはいAね、と投げやりな先輩。
「…忘れてるのかと思いました。
勢いで自己紹介しちゃったから、」
北「忘れないでしょ。
あんな唐突に自己紹介されたのはじめてだったし」
「………」
北「で？質問は…終わった？」
それなら本読み始めるけど、って。
「先輩は、何で図書室に来るんですか？？」
北「え？図書委員だから」
「そ、そうですけど…」
北「うーん…。
前まで本読むの、得意じゃなかったんだけど。
高校受験の時に本読む事を勧められて、
そしたら本が好きになったんだよ。
この図書室、滅多に利用する人いないし、
図書委員楽そうなのと、
本読み放題だなーって。それだけ」
本…やっぱり好きなんだなあ。
私も読んでみようかな、せっかく図書室にいるんだもん。
「あ…！！」
北「な、なに！？」
「北斗先輩、勉強出来ますか！？」
北「は？」
「来週！テスト！！勉強しないんですか？」
北「普通に、帰ったら勉強するけど？」
「なんです…その、余裕…」
北「今は本読む時間。帰って、ご飯、お風呂、
その後に勉強。で就寝」
「………」
私とは比べものにならない。
私なんか来週テストなのにこの後もバイトだし。
北「…勉強したら？」
いまかあ…。せっかくお話ししてるのに
勿体ないな、なんて。
北「………分かんないとこあったら、
まあ、うん。俺に教えられる所だったら教えるよ」
「えっ……良いの！？」
北「…ちょいちょいタメ口訊いてくるなあ、」
ふっ、て。口角を上げたあと、本を読み始めた先輩。
あ……なんか、距離近付けたかな、って嬉しくなった。
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作者名：ちゃん
| 作成日時：2018年5月11日 23時
