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放課後。
ねえホントに来ないのー？、と怜央がしつこかったけど
ばいばい、と見送った。
結局顕嵐は強制連行で、メイちゃんと3人、
映画を観に行くらしい。
「……よしっ、」
教室にもほとんど人が居なくなったところで、
隣校舎の3階へと向かう。
校舎が２つあって、
１つは全学年の教室。
もう１つは職員室とか音楽室、化学室、家庭科室など
実技室ばかりの校舎。
……そっちの3階に、図書室。
昨日ぶりだ。なんか、緊張する。
「……こんにちはー？」
図書室の扉をあけて、右側の窓沿いに
貸出受付がある。
そこに居ると思ったんだけど…居ない？
「……先輩？居ないんですかー？」
そう問いかけると、
スッと手が上に伸びていたのが見えた。
近づいてみると、
窓に背をつけて椅子に座ってて。
木椅子を組み合わせて並べて、長い足の置き台にしてる。
「返事…して下さいよ！」
北「手挙げたのが返事だけど？」
視線はずっと、手元にある本に集中してるから
顔が見えない。
北「ていうか…また来たの？」
「来ちゃダメですか！？」
北「本…読むの？」
「ううん、」
北「いや、何しに来たの」
「先輩とお話ししたいなーと思って！」
北「ここ図書室なんですけど？」
私は、先輩のいる受付から
1番近くの机にある椅子に座った。
「じゃあ、質問いいですか？」
北「………。」
「まずは誕生日！教えて下さい！」
北「……きみはさ、俺には合わせないんだね」
「え？」
北「俺言ったじゃん、"他人に合わせるの疲れない？"
って。あれ撤回したいくらい俺には合わせないよな…」
確かに。友達になってと言った時も今も、
空気を読むなんて事はせずに
ただ言いたい事ばかり発言してる。
自分でももう分かってるんだろうなあ。
合わせるようにしたら、ああ合わせてるなって
この人には分かってしまう、と。
だから、
「先輩には、合わせません！！」
私のペースに、この人を合わせたいと思った。
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作者名：ちゃん
| 作成日時：2018年5月11日 23時
