- Contract marriage 5 -

201. ページ8

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家に入ると気まずい雰囲気が流れる。






紫「……A」





ぽつりと私の名前を呟いて、

土下座する紫耀。









『え！？ちょっと、顔上げてよ…』

紫『ごめんっ！！ほんまにごめん！！」

必死に何回も頭を下げる紫耀。









紫「許されへんのは分かってる…

むしろ許さんでええ！

俺ずっと…Aの気持ち、知っとったのにっ」




紫耀が顔を上げると

綺麗な涙が頬を伝って。








『…っ、紫耀』









気づけば私にも涙が。









…









顕嵐には話したという、紫耀の話を

ひとつひとつ、聞いていく。






紫耀の優しさは

とてつもなく寛大なものだったと知る。









紫「…言い訳に聞こえるかも知れへんけど、

二人の気持ちに気づかないフリして

二人を引き離そうとして

俺…束縛しか出来んでっ…

ごめんな？ほんまに、たくさん傷付けてしまったよな」









……何だかもう、どうでも良い気がした。

今までの束縛。









『素直に紫耀の気持ち、聞けて良かったよ…？

私こそ紫耀に気持ち隠して

傷付けてばかりでごめんねっ……』

紫「俺は、大丈夫やって…！

Aの気持ち、ちゃんと気付いてたのに

俺のやってしまったことが

一番悪いんやから……」









紫「……さ、Aから俺

ちゃんとキッパリ言われたいねんけど？」



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