花びら六枚 ページ8
｢…で、Aちゃんは居たん｣
｢あぁ、いた。恥ずかしいから遠慮するのと、友達と遊んでくるから夜戻るねってさ｣
外で彼女にあった。やっぱり彼女は気にして出てくれてるんだと分かった。
彼女はやっぱり優しいなぁ、誤解されやすいけど、そこが本当に愛おしい。
｢幸せそうな顔してますねぇだるんだるんじゃん｣
｢うっしーも奥さんいて幸せっしょ？それと一緒よ。この中ではレトさんだけが寂しい感じだけど｣
｢うるさいうるさい。別にいいんだよ俺は｣
他愛のない話をしながらスマブラをし始める
さっきからあの動画外の方がおしゃべり説あるガッチさんが何も話さないのが変に怖い
様子を伺っていればなにやら考え込んでいるみたいだ。
｢ガッチさんどうしたの｣
｢え、…あぁ、…！いやなんでもない なんでもない。ところでいいのキヨ。俺に気やって｣
ぱ、と画面を見ればガッチさんにボコボコにされてる俺のキャラクター。
慌ててリモコンを操作し何とか巻き返す
そう言えば、Aもスマブラ得意だったっけ。
まぁ俺らよりは下手なんだったけもど
一生懸命やる姿が可愛かった。
ずっとずっと、見てたかった
｢え｣
そこまで考えて俺は思考をとめた。勿論、手も止まる
何考えてんの？
俺の頭に浮かんだのは全て過去形だった。
おかしいじゃん、これからも見れる姿を ” だった ” なんて
ずっとずっと見てたかった。
何言ってんのずっと見れるじゃん
＿キヨ！
ふと、聞きなれた声と共に、ぽん、と肩を叩かれた事で思考を戻す。
そこにはどこか心配そうな顔をしたうっしーが居た。
｢どうしたんだよ、なんか止まってたぞ｣
｢…あぁ、Aのこと考えてただけ。それより負けてんじゃん、うわぁー、まぁ仕方ない！これはAのことを考えた結果、愛の負けですね！はい！｣
｢うわ、いきなりテンション高い、もしかして実況撮りたいの？｣
ガッチさんが俺の急な変化に笑いながら言葉をかけてくる。 ” ちげぇわ ” とケラケラ笑いながら返す
その後ろ、視界に居ないレトさんが、俺の事を泣きそうな顔をしてみていたのは知る由もない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜 | 作成日時：2021年6月16日 21時
