Yellow daffodils * ky * (ページ4)

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花びら四枚ページ4

ある日の朝、朝から君は居なかった

相変わらず俺のiPhoneはバイブを繰り返す

まぁストック上げきったら最後、実況引退ーなんて、いきなり

視聴者も、同業者も心配するし、混乱するだろう
わかっていた事態だけど、最優先すべきものが出来た俺には、そんなのどうでもよかった。

そんなことより、Aはどこに行ったのだろう
ベッドから起き上がりAを探す

リビング

実況部屋

風呂

トイレ

おかしい

何処にも彼女の姿が見当たらない。

額から頬へと伝う冷や汗と、嫌に上がる心拍数にサッカーに感動した時、はたまた大好きなアイドルが卒業ライブを開いた時とはまた違う、いやな涙が滲む。

部屋中探しても居ない、仕方なくいつも一緒に眠る寝室へと戻る。
俺に言わずにAはどこに行ってしまったのだろう。

つくづく思う、俺はあの子がいないとなにも出来ない、いや、なにかをする気力そのものが無くなるのだと。

今まで付き合った女の子とどこか違うAに、心底惚れて、今はもう、君がいるのが当たり前になって、いないと不安になる

メンヘラ女子かよ

｢…ダメな大人だなぁ｣

『誰が？』

聞きなれた声が背後から聞こえれば身体は先に動き出す。思い切り抱き締めれば驚いたように声を上げどうしたのと問いかけるA

｢どこいってたんだよ……、どこか出かけるなら行ってから行って…お願いだから｣

『ご、ごめん、すぐ戻るつもりだったから言わなくてもいいかなって……怒ってる？』

｢んーん……怒ってない。｣

申し訳なけなさそうに呟く彼女の髪を撫でてやる。サラサラとした髪の毛、Aの匂い。
その全てが俺を満たしてくれる。きっと、Aも同じだろう。その証拠に、俺に頬を寄せて擦り寄ってくれてるから。

どこにも行かないで。

そう呟いた俺の声に

彼女は何も返さなかった

ああ今日も彼女の身体は冷たい