Yellow daffodils * ky * (ページ16)

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花びら十三枚ページ16

「ん………ん…」

ひたり、冷たい何かが俺の頬に触れる
愛しい声が、俺を呼んでる

重たい瞼をこじ開けて、瞳に光が入り込んで眩しい

『おはよう、こんな所で寝てたら風邪引くからいっぱい呼んだのに起きないんだもん眠り深すぎ』

「……A……？」

起き上がればそこは外だった

見たことの無い景色、いつの間にこんな所に
疲れてて歩いてきた記憶が無いのか…？

『どうしたの、びっくりしてるみたいだけど』

「…あー…、なんか、さ、俺、部屋で過ごしてたと思ってたんだけど、もしかしてデート中？」

『…もう！せっかく予定あってさ、一緒に来たのに、ばぁか』

小さく頬をふくらませて、そっぽを向いてしまう

「ごめん…好きだから、許して？」

『何それぇ、安っぽい好きですね！でも…疲れてるだろうし、許してあげます。ところでさ』

そらした顔をまた、俺の方に向けた
その瞳の色は、悲しみに満ち溢れているようで

何故か息が詰まる感覚がした

『なんで、レトくんにあんなこと言ったの』

あんなこと…？

『軽蔑って』

だって、レトさんが、笑えない冗談言ったんだ

Aはﾀﾋんだんだって

そんなのおかしいじゃん、俺がさ、一緒に居るのに

『ごめんなさい、して』

やだ、今回ばっかりは、俺、悪くない

『…そう、ごめんなさいできない、きー君は嫌い』

……やだ。嫌いなんて、言わないで

『じゃあ、謝って』

謝ったら…謝ったらさ、好きって、ギュッてしてくれる？

『謝って、ちゃんと私を見てくれら、考える』

見てくれたらって、俺ちゃんと見て…

『見てないよ、きー君は嘘つき』

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突然、身体中に痛みが走った

痛みで目を開ければ、見なれた自室の天井があった

レトさんと喧嘩紛いの事をしてから、Aは帰らなくなった
これは、俺がAを考えすぎてるから、出た夢、あるいは、言いすぎたことを自覚してるから故の後悔なのか、その両方なのか

考えてもわからなかった、わからないけど
レトさんに誠心誠意謝らないと罪悪感と、不安が拭えそうになくて
堪らず、連絡を入れた

しっかりと、Aがﾀﾋんだ事は悪い冗談すぎるからもう言わないでね、と添えて

でも、最後の君のあの言葉と顔は、一体何だったんだろう