花びら十一枚… ページ14
Re, side
キヨくんにとって、俺は今、酷く、辛いことを言うしすることになるだろう。
そうでもしないと、目が覚めないまま、そのまま消えてしまうかもしれないから。
実況やめたって、友達だ。
一緒にやってきた仲間で
Aちゃんが意味は違えど、大好きだった同志だ
そんなだと、いつまで経ったって、Aちゃん、うかばれないよ
だから、少し荒いけど、やるしかない
｢あ、…おはようレトさん、もうきてたんだ｣
｢はよ、キヨくんは寝てたんやね。後ろ跳ねてる｣
眠そうに出迎えたこいつは、気だるそうで、少しずつ、やつれていっている
｢レトさんが連絡よこしてすぐに来るって珍しいじゃん、急用？｣
｢あー、うん、まぁ………、キヨくんに言いたいことあって｣
俺の言葉にきょとん、と間抜け面を晒して首を傾げる
あ、その顔、Aちゃんに似ている
二人は、過ごす時間が多かったせいか、口調や仕草が似てる部分が多くなって言っていた
あ、ここはキヨくんのとこやな
あ、ここは、Aちゃんのやなぁ
俺はそれを見てるのが割とすきで、まぁ口にしたことは無いけど……
思い返したら、俺も涙が滲みそう
それくらい、大切な思い出で、大切な友達だった。
だからキヨくんの気持ちはよく分かる。
さっきも言ったように、好きの意味は違う
キヨくんは恋愛感情、俺のは家族愛みたいなもの
妹みたいな存在だった
キヨくん俺も、本当に大好きだったんだよ
数日ストックあげて泣くくらいには
…だからってさ、…無かった事にして、目逸らしてたら、可哀想だ
きっと、あの子はずっと心配してる、だから俺にも聞こえたりしてたんだと思う…
でも、Aちゃん、これが正解なんかな
もし俺の選択が間違えてて、今度はキヨくんまで、なんてこと………、
｢その時は…Aちゃん、キヨくんのこと守ってな…｣
小さい声で呟けば、キヨくんは、なんか言った？と問う
｢あ、そういえばA、もうそろそろ帰る頃かなぁ、最近俺に何も言わないで外出てっちゃうから浮気してないか心配｣
そんな俺を他所にキヨくんはまた、いないあの子の話をする。
だから言うなら、今しかない
俺は意を決して、キヨくん、と呼ぶ
｢え、なにレトさん｣
｢………キヨくん。…Aちゃんは、もう、帰ってこないんだよ、｣
｢は、何言ってんのレトさん｣
｢キヨくんこそ、いい加減、目ぇ…覚ましてよ｣
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作者名：夜 | 作成日時：2021年6月16日 21時
