花びら一枚 ページ1
冬の、それはもう、寒い日だった。
毎年のごとく、メンバーと実家に帰省してるから寒いのは当然で。
帰省先では、雪で無駄に遊んで、実況撮って
代わり映えの無さすぎる日々を送っていた。
そんな、何の変哲もない、12/24日
1本の電話が鳴る、
空港に着き荷物を受け取って息を切らし走る。
ジョギングで出すスピードとは比べ物にならないくらいの速さで。
呼ばれた所に着くなり、入ろうとした俺は引き止められた
震える手で、ただ泣く、俺の憧れから始まって、今はもうラジオも、実況も、電話も長時間やる、男に。
力づくで入ろうとする俺を、引き止める
泣きながら首を振って、マスクがズレるのも気にする様子もなく
ただダメだって、入るのはいいけど、見ちゃダメだって、泣きながら叫ぶ
そう、レトさんに。
でもそんなのなりふり構ってられなかった。
押しのけ、入ったそこには、白い桶。
君の顔。
君はカメラに向けて笑うのが下手だった。とびきり。
後ろから、レトさんの声が聞こえる。
わかってた
レトさんがなんでダメだって言うのか。
｢あ、ははは｣
あぁ、A、今日も綺麗だね。
可愛いね。
ねぇレトさん
俺が、おかしくなっちゃうと思ってるんでしょ？
もしくは、よく子供に、顔は見ない方がいい、記憶に残るのはあの楽しそうに笑うあの人の顔であって欲しいって願う親心みたいな
大丈夫だよレトさん。
俺はおかしくなんてならないし、子供じゃない。
だってほら、ただAはここで眠ってるだけだよ。
それに今日は、この子の誕生日なんだよ？
ね、起きて、今日は俺が買って渡してたチケットで北海道にくる約束だったじゃん？
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作者名：夜 | 作成日時：2021年6月16日 21時
