１４７ ページ8
〜コナン
外に出ると、一人ガードレールに腰を下ろしているAさんがいた
月の光が金色の髪に反射して光っている
素顔で外にいていいのかと思いつつもとりあえず近くに寄ってみた
そして彼女の顔を覗き込んだ瞬間、息を飲んだ
とてもきれいな緑色の瞳、長い金色のまつげ、整った顔立ちの彼女の瞳から涙がこぼれていたからだ
「Aさん」
『坊や、早かったね』
わかった、この人が俺を坊やと呼ぶ時の感覚、とても赤井さんに似ていたんだ、二人は一応兄弟だから
『バカみたい、全部お兄ちゃんのせいにして、心ではわかっててもいざお兄ちゃんに会うとあんな感じになっちゃう』
「あいつも赤井さんもきっと心ではAさんを思ってるんだとおもうよ」
『わかってるよ、わかってる、』
胸元に手を当て深呼吸をするAさん
「それ、癖？」
『？』
「ここ」
いま彼女が触れている胸元を指さすと、Aさんは服の中に手を突っ込んで何かを取り出した
「ネックレス？」
『そ、大切な人が誕生日にくれたんだ』
そういい見せてもらったのは桜のネックレス、この人の片耳についてるピアスといい、桜が好きなのか？
「緑川さん？」
『そう』
「そっか、」
『うん』
Aさんは両腕を高く掲げてて手に持っていたネックレスを月にかざす
『夜桜、なんちゃって』
「、、、」
乾いていた涙が再び彼女のほうを濡らす
『いい年したおばさんがみっともないね、それも警察』
そういう彼女の声ですらわずかに震えている
『夢を見るの、たまに、』
「どんな夢？」
『研二君が爆弾で死んで、陣平君が後を追うように死んで、ヒロ君が自 殺して、班長が交通事故で死んで、お姉ちゃん志保も死んで、お兄ちゃんが死ぬ、そんな残酷な夢』
一歩間違えればそうなってたかもしれない、と小さく付け足しはにかむ笑顔も、どこか辛そうだと思った
『私、弱いんだよなぁ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リンネ - ちーずさん» コメントありがとうございます！そしてすみません、なおします！ (9月9日 22時) (
レス) id: 273ce55556 (このIDを非表示/違反報告)
ちーず(プロフ) - とってもいいお話です！長崎ではなく長野だと思います😊 (8月6日 16時) (レス) @page9 id: 931460b590 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンネ x他1人 | 作成日時：2023年7月20日 23時
