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秀吉は無言のAを見て、苦笑いしながらも自分の背後を見た
「ほら、お前も挨拶しろよ、会うの初めてだろ？」
「初めまして、真純だよ」
女の子が赤井の後ろに隠れるようにしながら恥ずかしそうにする世良真純は、兄と姉である秀一とAに初めて会ったのだ
「ん？誰だそのガｋ」
赤井秀一がその言葉を言い切る前に、Aがかかとおとしをかますが、秀一はあっさりとそれを止めた
『実の妹に対する第一声がそれ？長男が聞いて廃れる』
「そ、そう！メールで写真送っただろ？」
『どうせ使えなかったか壊すかしたんじゃない？』
「ね、姉さん、、、」
「そういやぁ俺が渡米する前、母さんの腹が膨れてたな」
赤井の口調はどうでもよさそうで、またすぐに攻撃を仕掛けようとするAを止めるのに秀吉は必死だった
「それよりメアリー母さんは？」
雰囲気を和ませようと秀吉がそう聞く
「兄さんたちを迎えに行って、そのままここに来たんじゃなかったの？」
「ホテルでちょっとやり合ってな、おてんばな妹にもやられ、おかげでこのざまだ」
秀一は体を起こして、おもむろにサングラスを外した、すると、左目を縦断するようにして、くっきりとしたあざができている
『ざまーみろだよ、あと妹だなんて呼ばないで』
このころのAは姉の死について知り、まだ状況が整理できていなく、兄のことを嫌っていた
「俺も二散発食らわせたから、今頃氷で冷やしてるんじゃないか？」
「頭を冷やすのはあなたのほうよ」
不機嫌そうに口をはさんだのは、赤井たちの母、メアリーだった
「アメリカで勉強したいっていうからAと一緒に留学させたのに、本当は父の事件の真相を探りに行っていた、ですって？
しかも大学を卒業したらFBIに入るだなんて、まるで苦みに魅入られた幼稚な子供のよう」
「グリーンカードもアメリカ国籍もとった、あとは三年の職務体験を積み、筆記試験と体力試験にパスするだけ、問題はないさ」
自分の飛び級をきっかけに留学できたのに、そんなことをしていた秀一にAはまたもイライラしてきたようで、殺気をあらわにしている
「生活費はどうする気？そんな馬鹿を言う人に仕送りをすると思っているの？」
「心配無用さ、割のいいアルバイトを見つけたんでね、FBIに入るまではそれで食いつなげる」
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作者名：リンネ x他1人 | 作成日時：2023年6月26日 17時
