９６ ページ2
《私たちは二人で一つだよ、A、だからずっと一緒、何があっても！》
《うん！私もお姉ちゃんと一緒がいい！》
嘘つき、私の前からいなくなったくせに
《Aは今幸せ？》
《うん！お姉ちゃんは？》
《秘密》
ねえ、教えてよ、今お姉ちゃんは幸せ？
《逃げよう、A一緒に生きよう！》
《お姉ちゃんと一緒なら、どこへだって行くよ、私たちは二人で一つだから》
一緒に生きようって言ったのに
《私はもう戻れない、だから忘れて、A》
そうやっていつも都合の悪い言ことを姉さんは消して来た、私、そんなに信用できない？私、そんなに弱く見える？
《何があっても守るよ、明美も志保もAも、私はみんなのお姉ちゃんだから、守る義務がある》
ずっと思ってた、生まれる順番がちょっとでも違ったら、私が先に生まれてたら、お姉ちゃんは今も幸せに暮らせてたのかなって
《私をあなた達たちの仲間にして》
《わがままは末っ子の特権だよ？》
《その場合の過失の割合は50：50だよ》
お姉ちゃんは馬鹿だ、自分の事なんかまったく考えない
そんな中、映像が変わった、
《ご苦労だったな、広田雅美……いや、》
《宮野明美よ。》
銀髪の黒服の男と、茶髪で緑目の見知った顔、私の妹の明美がいた
―ジン
取り戻したばかりのの記憶を頼りに用心の中でつぶやく、何度か、いや何回もあった
《……ひとつ聞いていいかしらあの大男を眠らせるために、あなたに貰ったこの睡眠薬…、飲んだ途端に彼、血を吐いて動かなくなったわ…どういうこと？？》
やはりだ、この女は
《フッ……それが組織のやり方だ、さぁ、金を渡してもらおうか》
ジンと一緒にいる女は、
《お金はここには無い…それより妹よ、約束したわよね？》
宮野明美、私の妹だ
《…そいつは出来ねー相談だ…やつは組織の中でも有数の頭脳だからな》
《…じゃぁ、あなた達、最初から…！》」
《最後のチャンスだ、金の在処を言え》
お姉ちゃんは挑戦的な笑みを浮かべた
《私を殺せば、永遠に分からなくなるわよ？》
《大体の見当はついている…それに言っただろ？──最後のチャンスだと》
駄目、明美
ﾊﾟﾝ
何時しかのようなあの、実の姉と生き別れた日と同じ音がして
一つの物語が終わりを告げた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンネ x他1人 | 作成日時：2023年6月26日 17時
