【赤司征十郎】ルベウスの虚脱【黒バス】 ページ32
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「伝達は以上だ」
「はい、了解しました」
都内のホテルで行われるパーティー。親しい人物同士で集まるらしい。
成程、その人達との顔合わせといったところか。
もう俺も春から大学生になる。
―――……多分、そういうことなのだろう。
携帯を耳から離そうとした瞬間。
父さんが「ああ、そうだ」と思い出したように口火を切った。
「征十郎。
「……ええ、覚えていますよ」
「あら?持つべくして持っている家の力を使わないなんて、宝の持ち腐れじゃない!」
華崎、という姓が俺の脳に届いた一瞬で現れる中学の頃の同級生の姿。
誰も居ない事を良いことに、俺は思いっ切り顔を歪めた。
彼女は、嫌いだ。
多分、今まで会った中で、誰よりも。
「その御息女が婚約をしたらしい」
「は、……んんッ、そうなのですか?」
「ああ、何でも有名会社の跡取りだとか。一応、頭に入れておくといい」
その言葉を最後に父との電話が切れる。
無機質な音が俺の鼓膜を揺らした。
その時、思い出したのは中学校卒業式で止まったままの彼女の姿。
「卒業、ね」
「……なんだ、感傷に浸るなんて柄じゃないだろう」
「あら、貴方は私が感傷に浸ってる様に見えたの?」
―――「明日から貴方に会わなくて良いと思うと清々するだけよ」
そんな捨て台詞を吐いて、彼女はわらう。
少しだけ、悲しそうに見えた横顔は多分、補正がかかった幻影の様なものだろう。
きっと、そのはずなんだ。
不思議と痛い胸も、気だるげな頭も、全部全部、幻だ。
「酷い顔ね、赤司」
あの日の彼女_
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白雨(プロフ) - まりちゃんさん» リクエストありがとうございます!ですが当方セーラームーンはダーク・キングダム編までしか熟知していなくて…はるかさんやみちるさんを知ってはいるんですがストーリーとキャラが曖昧&うろ覚えで書くのは失礼だと思うので受けられません…本当にすみません。 (2018年3月27日 2時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃん - セーラームーンS編アニメストーリーはちびうさちゃんの弟設定とはるかさんに恋をしてそれから小学2年生小柄男ヒロインをセーラー戦士に変身してそしてSS編とスターズ編にはるかさんとみちるさんとせつなさんとほたるちゃんも再び登場するお話を見せてください。 (2018年3月26日 0時) (レス) id: 3ac469200b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雨 | 作成日時:2015年10月11日 13時