捻くれ系男子、天帝様と邂逅する。 ページ29
*
「…すいません」
「虹村なら購買だ。アイツの足ならもう少しで帰ってくるだろ」
「えっ」
…まだ、声をかけただけなんだが。
お世辞にも愛想が良いとは言えない、ぼさぼさとした黒髪と死んだ魚の様な黒い目の下にはクマと思われる黒ずみが浮かんでいる目の前の男は、俺が探していた目標の人物をあっさりと当てた。
ちらりとソイツは俺の顔を見ると、得意げにニタリと口に三日月を作る。
…どうでもいいが、悪人面だな。虹村さんといい勝負じゃないか？
「…なんでって顔してるな。まぁ、虹村が帰ってくるまで話すことも無いし、タネ明かしでもするか」
「……はい」
「そこ、座れば」と男は自身の横の席の椅子を指差した。
躊躇いがちに男の方を向ける様、横向きに座れば、男も弄っていた携帯をブレザーのポケットに入れる。
男と俺が向き合う。今まで横顔しか見れていなかった男の顔の全貌が明瞭に俺の瞳を占領した。
…随分と端正な顔立ちをしている。まぁ、目の下の隈と死んだ魚のような目で台無しになってしまっているけれど。
「まず、目的。きょろきょろ辺りを見渡している様子から誰かを探しているのが適切だろうと思った」
「……」
「教室を見渡して控えめに入って来た事から、同級生の可能性は低い。ブレザーの新品具合と俺への敬語から三年より一年生の蓋然性が上回った。ズボンの上からの判断だが、下半身の筋肉が発達している所から足を使う運動部。腓腹筋が発達しているところを見ると跳ぶスポーツだ。これでだいぶ絞られる」
ペラペラと語るソイツに、正直、俺は若干引いていた。
いや、人の事どれだけ見てるんだ気持ち悪いな。
「俺がバスケ部だと判断したのは腕だ。バレーボールならもう少し腕の筋肉が付いていても可笑しくないからな。この教室でバスケ部の奴は結構いるが…持っている紙は多分練習メニューあたり。そんな大事な事を相談する奴なんてバスケ部主将の虹村しかいないだろ？」
お前、肺活量どうなってるんだ？ほぼノンブレスだったぞ、今。
気持ち悪い。もう一度言うぞ、気 持 ち 悪 い 。
「ついでに言うなら、お前は虹村から聞いた一年で副主将に抜擢された"赤司征十郎"君だ」
「……お見事です」
「…気持ち悪いと思ったなら素直にそう言えよ。ほら、"お目当て"が帰ってきたぞ」
男は横目で教室の扉を一瞥し、席を立つ。
そこには、虹村さんが有り得ないものを見たようなぎょっとした顔でこちらを眺めていた。
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白雨(プロフ) - まりちゃんさん» リクエストありがとうございます！ですが当方セーラームーンはダーク・キングダム編までしか熟知していなくて…はるかさんやみちるさんを知ってはいるんですがストーリーとキャラが曖昧＆うろ覚えで書くのは失礼だと思うので受けられません…本当にすみません。 (2018年3月27日 2時) (
レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃん - セーラームーンS編アニメストーリーはちびうさちゃんの弟設定とはるかさんに恋をしてそれから小学２年生小柄男ヒロインをセーラー戦士に変身してそしてSS編とスターズ編にはるかさんとみちるさんとせつなさんとほたるちゃんも再び登場するお話を見せてください。 (2018年3月26日 0時) (レス) id: 3ac469200b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2015年10月11日 13時
