帝光中学校と白川くん。 ページ23
*前ページの派生作品。
「ん……んんー?ふわぁ…ココ何処ー?」
目を擦り、欠伸を一つ。伸びをしながらAは辺りをきょとり、と見回した。
意識が飛ぶ前、つまり寝る前。自分はバスケ部の部室で椅子に座り、机に突っ伏して寝ていたはずだ。
しかし目の前の景色は、現実の様で。白いベッドで何故自分が寝ていたのか分からない。
多分、ココは保健室だとAは推測する。薬品棚の位置や机の位置から察するにそうだろう。
「征が運んでくれたのかなー?んん…でも、部室で寝るのはいつもの事だし…」
分からない。確かに保健室で寝ることは多々あるが、部活が終わってから保健室に行ったことなんてない。
どこも体調は悪くない。良く寝ると言っても病弱なわけではないし。
「んあー…悩んでもしょうがないし、体育館に戻ろーかな。荷物も置きっ…?」
頭を掻き、保健室のドアに近付くA。ふと、身体の動きをぴたりと静止し、耳を澄ました。
ぺたぺたぺた、廊下から聞こえてくる足音にAは違和感を覚える。
――裸足?何で?上履きは?
その瞬間にも、音は段々と近くなっていく。ぺたペたぺタペタ。
背筋が寒い。無意識の内にAは後退る。
――隠れなくちゃ。
ふとそう思い、最初に寝ていたベッドに隠れる。ドクドクと嫌に高鳴る心臓に落ち着けと心で叱咤する。
口を両手で塞ぎ、Aは再び耳を澄ました。
ぺたぺタペた。
止まった。
丁度、保健室の扉の前で。
「……イるの?」
Aは、答えない。
「おニィちャ、いルノ?」
Aは、答えない。
「……もウ、ドっかにイっチゃッたのカな?」
Aは、答えない。
「……サがさナキゃ」
ぺたぺたぺた。足音が遠ざかる。ホッと溜息一つ吐いた。
少なくとも、この世の者ではないなー。と、Aは先程の声を思い出す。
発言を継ぎ合せたかのような発音に、そこら中の空気を振動させたみたいな不快感のある声。
何もかもが不気味だった。そうだ、チームメイト達はどうしているだろうか。
「ん、持ってたみたい。ふへへ、らっきー…ってやつだね」
電源を付け、画面の傘をタップし
一瞬の青が、Aの白い瞳に彩りを施した。
表示の三番目くらいにあるグループレイン『俺達キセキの世代』のところを、さらにタップする。
さあ、どう聞こうか。
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白雨(プロフ) - まりちゃんさん» リクエストありがとうございます!ですが当方セーラームーンはダーク・キングダム編までしか熟知していなくて…はるかさんやみちるさんを知ってはいるんですがストーリーとキャラが曖昧&うろ覚えで書くのは失礼だと思うので受けられません…本当にすみません。 (2018年3月27日 2時) (レス) id: 1bdc6616c8 (このIDを非表示/違反報告)
まりちゃん - セーラームーンS編アニメストーリーはちびうさちゃんの弟設定とはるかさんに恋をしてそれから小学2年生小柄男ヒロインをセーラー戦士に変身してそしてSS編とスターズ編にはるかさんとみちるさんとせつなさんとほたるちゃんも再び登場するお話を見せてください。 (2018年3月26日 0時) (レス) id: 3ac469200b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雨 | 作成日時:2015年10月11日 13時