本当の名前 ut side ページ30
ut side
β国に潜入し、街中では疑われぬまま城へと至る。
まぁ鬘被ってカラコンもして…髪と目の色隠しとるからな。
念の為と前々から用意しといて正解やった。
城の中へと潜入した後は、口の軽そうな一般兵を拳銃で脅して王のいる場所を吐かせればちょうど今幹部と会議中だとか。
移動されんうちに、と急な侵入者に慌てふためく連中を片付けつつ一直線に会議室へと向かう。
うちんとこのと同じくらい重厚な扉を開ければしっかりと幹部と王が勢ぞろいしていた。
流石にうちみたいな数の幹部はおらんかったから片付けるのは楽やった。
そして残ったのは―。
「ば、バカな…！！い、一体お前は何者だ…！」
ut「これに見覚えあるんとちゃう？」
銃を突き付けた状態のまま、周りの幹部全てを失って狼狽える王に鬘とカラコンを取って見せる。
この国に入ってから、頭の中は酷く冷静でそれでいて冷え切っていた。
【抑都】として初めてこの国にハッキングした時…既にこうする事は考えていた。
だがその時教えてもらっていた情報屋に止められたからしなかっただけ。
俺の姿を見た王は、目を見開いて驚いていた。
まるで…幽霊を見たかのように。
「そ…その髪色と瞳…！ま、まさかお前は…！？」
俺がここをハッキングして調べようとしたのは一番に自分と親の事やった。
どんなやつで、どんな気持ちで俺をあそこへ置いていったのか。
俺の名前は何なのか。
最初は親に復讐するつもりで調べていた。
だが事実は…思っていたのとは違った。
ut「ご名答。アンタの考えとる事で合ってるで。俺は―」
両親はこの国の幹部やった。
だがこの王が進めようとした研究に反対して、反逆者として処刑された。
それが俺があそこに行ってから約半年後の事。
…既に国に追われていた両親は、俺を逃がす為にあそこに俺を置いていったのだ。
そしてその後捕まって牢屋に入れられ…処刑された。
まだ小さかった俺はその頃の記憶があやふやで、顔も覚えていない親に捨てられたんだと思っていた。
初めて見た父の髪と目は俺と同じ深い青。
そして母は…黒の瞳。
この事実を知って、俺がこの国に復讐を誓った時…俺の目は一時的に、更に深い濃紺に染まっていた。
母と父の色が混ざったような色。
Aちゃんの両親が名前をと言ってくれた時、目に入った字に惹かれた理由がその時わかった。
まるで運命のように。
俺の本当の名前は―。
ut「シャルル・ウツ―。これからあんたを〇す名前や」
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淋(プロフ) - ちょこぱいさん» 気に入っていただけたようで嬉しいです！！ありがとうございます、無理のないように頑張って更新します！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱい - めっちゃくちゃ面白いですね！続きが気になります.......！無理しないで頑張ってください！ (2020年12月1日 16時) (レス) id: 96347ca1af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年11月13日 20時
