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いつもの面布を外し素顔を晒して踊るロボロの顔は真剣で、小さいと揶揄われている彼とは思えない頼もしさを感じた。
rb「こうしてると懐かしいな。…まぁ俺は監視の仕事があったからあの時は練習だけして踊れんかったんやけど」
『そっか。ロボロと本番で踊るのは今世が初めてなんだね』
rb「せやな。…ちょっと嬉しいねん。こうやって初めて踊る前に思い出せて。…大丈夫やで。絶対に他の連中も思い出すし、また皆で集まれる」
『…うん』
rb「そろそろ俺の番終わりやな。…また時間のある時に遊びにでも行こうや」
『いいね、行こう』
そうしてロボロの番が終わり、彼が手を離した時にクルリと回れば向かい側にはトルコ帽を取ったマンちゃんが。
os「ロボロと何話しとったん?」
『前世では踊れなかったから初めてだねって話をね』
os「確かにそうやなぁ。そう言われてみると俺は役得やったな」
『ドレス選ぶのもメイクするのもマンちゃんがやってくれたしね』
os「ふふ。…そうそう、この踊る順番やけどな。グルッペンは公平に適当に紙入れたって言っとったけど…たぶん自分と大先生のは意図的やで」
『…え』
os「変なとこで気ぃ使ったんやなアイツ。…グルッペンはまだ思い出してへんけど、あの感じなら思い出すのも近いと思うわぁ。…なぁ、Aちゃん」
『うん?』
os「…もうAちゃんの気持ちは決まっとるから口出すつもりなかったんやけど…。前世から、それ関係なくても俺はAちゃんが好きやったで」
『…マンちゃん』
os「でもAちゃんが幸せなのが一番やし、俺は応援しとるから、何でも言うてな?出来る事やったら手伝うから」
『ありがとう…マンちゃん』
os「さて、そろそろ俺の番終わりやな。…また一緒にお茶会しようめう」
『うん!……!?』
ふわりと私の手を取りながら離れていくマンちゃんは、その直前に繋いでいた手の甲にチュッと軽くキスを落として自然に離れて行った。
突然の事に動揺しつつもくいっと逆の手を引かれてそちらを向けば、ひとらんが苦笑いしながら立っていた。
何とか気持ちを立て直しつつひとらんと踊る事に集中する。
ht「全くマンちゃんてば…。たぶんちょっとした当てつけだと思うから、気にしないでね真白さん」
『はは…。はい』
乾いた笑いを零しつつそう答えれば、ひとらんはニコリと笑った。
マスクを外したその顔は復讐鬼なんて呼ばれてると思えないほどに優しい顔で、彼の穏やかさを思わせる表情だった。
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淋(プロフ) - 宙さん» コメントありがとうございます!神作と言っていただけて嬉しいです…!(/ω\) (2020年10月10日 19時) (レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 神作(合掌) (2020年10月10日 19時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - 鈴さん» コメントと応援のお言葉ありがとうございます!飽きずに読んでくださって嬉しい限りです(/ω\)最後まで頑張って走り切りたいと思います! (2020年8月22日 11時) (レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - 零~REI~さん» 嬉しいお言葉とお気遣いくださりありがとうございます!ファン…!凄く嬉しいです!(/ω\)無事に解決いたしました!また頑張って更新していきますのでまたよろしくお願い致します! (2020年8月22日 11時) (レス) id: 7bc11c6066 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - コメント失礼します。この作品、飽きずにずっと読んでます。淋さん、無理せず頑張って下さい!応援しています。 (2020年8月21日 22時) (レス) id: a6f1602c22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:淋 | 作成日時:2020年7月21日 17時