【wrwrd】転生してもやっぱり表情筋は動かない4【学パロ】

▽　ut side ページ9

ut side

二学期初日にまたクラスに転校生が来た。
その子は女の子で…いつもの自分なら可愛えなとかそんな事くらいは思うはずやのに…。
何故か一目見た時からどこかで見た事があるような既視感、そして…不快感。

今日は午前中で学校が終わったが生徒会があったのでAちゃんにいつものように図書室で待ってて貰おうと思って彼女の方を向けばそこには彼女に声を掛けている転校生の姿が。
一緒に帰りたいと言う話にわざと横槍を入れる形でAちゃんの腕を引く。
本当は約束なんてしていなかったが嘘を吐く。

…ちゃんと自分は笑顔を作れてたやろうか。

とりあえず牽制はしておいた。
彼女はあっさりと身を引いたが、その代わりに今度はAちゃんに友達になって欲しいと言う。
内心で舌打ちしながらとりあえず成り行きを見守る。

結局Aちゃんはそれを承諾し、網川さんは帰って行った。
…去り際に俺に随分と強い殺気の視線を一瞬送って。
お返しにこちらも殺気を飛ばしておいたらAちゃんに心配された。
何とか取り繕ったが…何で僕はこんな初対面の、しかも女の子にここまで嫌悪感を持っているんやろ…。

生徒会の仕事を終えてAちゃんが待っている図書室へ。
生徒会室へ行く前にグループLINEで今日の事を相談したくて図書室に来てほしいと連絡を入れておいた。
写真とかあった方がええよな、と思い図書室へ行く道すがらに兄さんに生徒名簿を持って来てほしいと頼む。

全員が集まり兄さんが持って来てくれた生徒名簿を見て騒めく面々。
聞けば前世でAちゃんの専属メイドやっとったらしい。


……あれ？


何で僕、覚えてへんの？


シッマに再確認され思い出そうと何とか記憶を捻り出すが、Aちゃんの傍にメイド…っぽいカッコした子がおったような気はすれども顔も声も名前も思い出せない。

ずっと、僕だけ生まれた時から前世の記憶があると思っていた。

でもまさか、そこに欠落したものがあるなんて考えたことがなかった。

…そう言えば、あの去り際に感じた殺気と視線。


あれを……どこかで、見た事が、あるような。


どこやっけ。


思い出せない。


そんな中でエミさんとシッマが衝撃の発言をする。
アイツが…Aちゃんを〇した犯人かもしれない…？

途端に目の前が真っ暗になって〇意が満ちる。
だがそれも、彼女の言葉に打ち消された。
…そうやんな、疑いもたれとるやつがいるって幹部なら知ってるはずや。


でもあの時


僕は―

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