友達？ ページ5
ka「ダメ、かな…」
目に見えてしゅんとしてしまう彼女に何だか罪悪感を覚えてしまう。
とりあえず何か声を…と思ったら、グイッと横から腕を引かれた。
ut「ごめんなぁ網川さん。この子今日は僕と一緒に帰る約束しとるんよ。生徒会もある事やし、待たせてまうから…ごめんな？」
『…ん？』
そんな約束はしていないが…それを言う事は憚られた。
大先生の雰囲気がいつもと違う。
いつもなら初対面の女の子でも名前呼びなのに名字でさん付け、しかも網川さんに対して近づくなオーラが出ている。
一体どうしたというのだろう…？
ka「そ、そうなんだ…？」
大先生の言葉を確認するようにこちらに視線を投げてくる彼女。
一見戸惑っているように見えるが…それをそのまま受け取れないのはどうしてだろう。
…ここは合わせておいた方がいいかもしれない。
『う、うん。そうなんだ、ごめんね。…また今度、一緒に帰ろう？』
次の提案をすれば、彼女はしょげていた顔を上げてパァァ！という効果音が出そうなくらいに顔を綻ばせた。
ka「うん！また今度……あ、そうだ。良かったら…真白さんと友達になりたいの」
『へ』
いきなりの提案に変な声が出る。
ぐいぐい来るなぁ…この子。
悪い人じゃないとは思うんだけど…。
『わ、私でいいなら…？』
はっきりとではないが了承を伝えれば、また彼女は満面の笑みになった。
ka「ありがとう！良かったら名前で呼んでもいいかな…？私の事も名前で呼んでほしい」
『え…？う、うんいいよ…？えっと、香音？』
ka「うん！それじゃまた明日、A！…と、鬱くん」
そう言って彼女は鞄を持って教室から出て行った。
…最後、大先生の名前を取って付けたように呼んだ時、敵意が見えたのは気のせいだろうか？
何だかドッと疲れが出て大先生の方を見ると……何とあの大先生が彼女が出て行った方を見て顔を顰めていた。
『だ、大先生…？どうしたの…？』
私の声にハッとなって、チラリと視線を一瞬逸らしてからこちらを向く。
その時はもういつもの笑顔になっていた。
ut「…んーん、何でもあらへんよ。ごめんなAちゃん。生徒会室行かんとあかんからまた図書室で待っとってくれる？」
『う、うん、わかった』
いつものように彼は生徒会室へ、私は図書室へ。
ピロン、とスマホの通知音が鳴って見てみれば、グループLINEで大先生から生徒会の仕事が終わったら図書室に来てほしいとあった。
言い知れぬ不安を感じる中私は本を手に取った。
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淋(プロフ) - ブバルディアさん» 確認くださってありがとうございます。もしまたおかしな表現等ありましたら遠慮なく仰ってください。読んでくださってありがとうございますo(^-^)o (2020年7月15日 18時) (
レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ブバルディア(プロフ) - はい。私から見て特に違和感はありませんでした。 (2020年7月15日 18時) (レス) id: 4a01cc1ec4 (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - ブバルディアさん» 初めまして！ご指摘のコメありがとうございます！いえいえ、こうやって間違っている箇所をちゃんと指摘していただけるのはとてもありがたいので助かりました！ご指摘いただいた箇所は修正させていただきました。これで大丈夫でしょうか…？ (2020年7月15日 17時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ブバルディア(プロフ) - 初コメから指摘ですみません。ネタバレになるようであれば、消していただいて構いません。更新頑張ってください。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 4a01cc1ec4 (このIDを非表示/違反報告)
ブバルディア(プロフ) - 初コメ失礼します。欠けた記憶のut先生sideに『色めき立つ』という表現がありますが、それは好意的な盛り上がり、みたいな意味だったと思います。見た感じ好意的とは違うようなので、『騒めく』とか『厳しい顔つきになっていく』みたいな表現が合っていると思います。 (2020年7月14日 22時) (レス) id: 4a01cc1ec4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年6月22日 18時
