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暫く本棚を見回して待っていると、エーミール様が何冊かの本を抱えて戻ってきた。
em「お待たせしました。この軍の規約、戦歴などの資料がこちらになります。こちらは戦争についての本ですね。後こちらが―」
『ちょちょちょっと待ってください！』
em「へ？」
まさかいきなり戦争時の資料が来るとは思わなかった為エーミール様の言葉を遮って止めてしまう。
機密じゃないの？いいの！？
当の本人はきょとんとしてるけど！
『戦争時の資料なんて大丈夫なんですか？まだ私この軍に入ったばかりですし…』
em「…ああ。確かにまだ貴女は信用には足らない…かもしれません。ただそれ以上に嬉しくて」
『…嬉しい、ですか？』
私の問いに、エーミール様は本当に嬉しそうに笑って続けた。
em「ここの人たちは大体行き当たりばったりで、軍の事もそのうち慣れるやろ、で終わってしまいますから。まぁ実際それで慣れちゃうのも凄いんですが、こうやって知ろうとしてくださったのが嬉しくて、つい」
『そ、そうなんですか…』
私が観光客…スパイだったらどうするつもりだったのだろう。
それでもこの方たちは対処出来てしまうんだろうけど…やっぱり軽いような…。
em「ああ、もちろん外に持ち出す事は出来ませんし、読むのも私と一緒ならと言う条件付きになりますが…今から読まれますか？」
『あ、はい。ぜひ』
そこからはエーミール様に見守られながら資料や本を熟読した。
この軍の戦い方、ルールなどを頭に叩き込んでいく。
私の部隊は遊撃と言う事だから戦況に応じて役割が変わる。
…つまり近距離も遠距離も…暗殺や諜報なども出来なければいけないのだ。
だ、大丈夫かな…。
他の隊との連携も必要になってくるだろうし、演習でその辺りを入れてもらう必要があるかもしれないな…。
とりあえず落ち着いたら遊撃隊の隊員と顔合わせさせてもらわなければ…。
そこまで考えてふと疑問が沸いた。
この軍、今まで遊撃隊って資料にもないんだけど？
『あの、エーミール様。質問宜しいでしょうか？』
em「ええ、もちろん」
『あの…遊撃隊って私以外に誰がいるのかご存じですか？』
そう聞くと、エーミール様は気まずそうに顔を逸らした。
em「えっと…今までこの軍に遊撃隊と言うのは無くて、ですね…。たぶん真白さんが最初の一人かと…」
『…はい？』
隊なのに？
私一人？
は…。
『はあぁぁぁぁぁぁぁ！？』
この軍に来てから何度目かの無茶振りに私の絶叫が木霊したのだった…。
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淋(プロフ) - myuさん» コメントありがとうございます！そんな風に気に入っていただけて私も凄く嬉しいです！このシーンは私もお気に入りなのでo(^-^)o こちらこそありがとうございます！！これからもぜひ読んでいただけたら嬉しいですo(^-^)o (2020年7月17日 22時) (
レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
myu(プロフ) - この、tnさんに向かって主人公が啖呵を切るシーン、すごい好きなんです。。どうしても抑えきれず、コメントしてしまいました。いつも、ありがとうございます!何卒、これからもよろしくお願いします!! (2020年7月17日 20時) (レス) id: 06bde988df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年5月24日 21時
