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▽ ut side ページ14

ut side

それから、上手くグルちゃんを言いくるめて彼女の案内役を仰せつかった僕は、まずは彼女の部屋へと向かった。
さりげなく手を繋いだが、嫌な気持ちにさせてないだろうか?
チラッと彼女の顔を見れば戸惑ってはいるが嫌な感じはしない…。
でも照れとる様子もない…かぁ。

少し残念に思いつつ彼女の部屋の前に到着する。
これもさりげなく買い物にいく約束をしたが…彼女が行くと言った訳ではないし、覚えていてくれるだろうか?

インカムの説明をして、そのついでに呼び方もあだ名で、敬語もやめるように言ってみる。
…何で僕、この子にあだ名とタメで話されてこんなにドキドキしとるんやろ…。
確かに意識しているとは気付いていたが、まだ会ったばっかりの子に…。
でも…あの恐る恐る見上げるような視線と表情、可愛かった…。
結構人を信じやすい子っぽいし、ちょっと心配やなぁ。
僕は降り積もる疑問をとりあえず棚上げして案内を続ける。

大体の案内も終わったところで戻りかけている敬語を笑って指摘すれば、ほのかに赤く染まる彼女の顔。
…指摘されたんが恥ずかしかっただけやんな?

ut「ほんなら僕は行くけど…夕食食べたら今日はゆっくり休んどいた方がええよ。…明日は大変そうやし」

『ありがとう。…明日は頑張らなくちゃ』

ut「…三人相手なんに、頑張ろうってなるんや?」

『これで絶対認めてもらえるとは思ってないけど…これで少しでも、あのお三方の事がわかればいいなって思って。もちろん私の事も』

ut「……Aちゃんは、ちゃんとその人を知ろうって思える子なんやね」

『え?だってそうじゃなきゃ信頼も何もないだろうし…やっぱり仲間だから知っておきたいな…って』

僕らに絡んでくるメイドや街の女性たちは大体僕らの外見しか見ていない。
でも彼女は、それを当たり前に否定してちゃんと僕らを知りたいって思ってくれてるんやな…。
僕らの事ももう仲間やって思ってくれとるし。

ああ、あかんわ…これは。
いつもは僕が女性を落とす側なのに。
僕はこの一日で、あっさり彼女に落とされたみたいや。

きっと彼女の魅力はこれから幹部に知られていく。
絶対ライバルは増える、これは男の勘やな。
その前に少しでも…彼女の心を捕まえておかんと。

僕は三日後の買い物の約束を彼女が覚えてくれている事を祈って、色々とプランを練り始めたのだった。

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作品ジャンル:ファンタジー
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(プロフ) - myuさん» コメントありがとうございます!そんな風に気に入っていただけて私も凄く嬉しいです!このシーンは私もお気に入りなのでo(^-^)o こちらこそありがとうございます!!これからもぜひ読んでいただけたら嬉しいですo(^-^)o (2020年7月17日 22時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
myu(プロフ) - この、tnさんに向かって主人公が啖呵を切るシーン、すごい好きなんです。。どうしても抑えきれず、コメントしてしまいました。いつも、ありがとうございます!何卒、これからもよろしくお願いします!! (2020年7月17日 20時) (レス) id: 06bde988df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年5月24日 21時

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