▽ ut side ページ13
ut side
今日は昇進式があったけど、まぁ時間までに間に合えばええやろと思って街へ出掛けた。
可愛い女の子おらんかなーって思っただけなんやけど。
そんな中でふと一人の女の子に目が留まる。
服屋のショーウインドウを熱心に見つめるその子は少し口角が上がっているように見えて。
表情のわかりにくい子は今まで付き合った中でもおったけど、これは一段とわかりにくいなぁ、なんて思った。
でも…楽しそうに見つめるその瞳には何故か悲しさも宿っていて、それが気になった。
思わず声を掛けたら酷く驚かれて、訳を聞くと今まで表情を読み取られたことが無いと言う、特に笑顔は。
始めはただの好奇心。
なのに話していくうちに妙に彼女の事を意識している自分に気が付いた。
お茶に誘うも断られ、これから城に行かなければいけないのだと言う。
今日城である事と言えば幹部への昇進式やけど、確か男が一人なんやなかったっけ？
だがそこで一つの可能性が思い当たる。
先日、グルちゃんがまた無断で街に出掛けていた時、いつも通りトンちに怒られていた時も妙に上機嫌だったのだ。
…ひょっとして勝手にまた判断して幹部を増やそうとしているなんてのは充分考えられる。
でももしそれがこの子なのだとしたら…僕は大歓迎やな。
何となく意味深な言葉を残してその子と別れ、城へ急いだ。
こりゃ先に戻って、あの子がビックリする顔を見てみたい。
城に戻って会議室へ行けば、ちょうど今日昇進する新人が入っていったところで、続いて僕も入室する。
チラッとそいつの顔を見たが…何か詐欺師っぽい感じするなぁ。
あの子はまだここに来ていないようだ。
こっそりと隣にいたげどちゃんに話を聞くと、やはりグルちゃんが突発的に幹部を増やすことにしたらしく、それが女性だとか。
しかもその子はグルちゃんの命の恩人らしい。
へぇ…そんなに強いんやな、あの子。
しばらくすると会議室の扉がノックされ、グルちゃんが入るように促す。
入ってきたのはやっぱりあの子。
緊張しているのか表情が固いのが何となくわかる。
自己紹介をしながら幹部一人一人の顔を視線に移して……僕の前で止まった。
ああ、やっぱりめっちゃ驚いてる。
真白 Aちゃんか…覚えておこ。
驚いている彼女に軽く自己紹介をして、トンち達に事情を説明する。
その後は全員の自己紹介。
男の方はチーノっちゅうんか。
こっちも覚えとこう、注意するって意味で。
ああ、これからがめっちゃ楽しみやなぁ。
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淋(プロフ) - myuさん» コメントありがとうございます！そんな風に気に入っていただけて私も凄く嬉しいです！このシーンは私もお気に入りなのでo(^-^)o こちらこそありがとうございます！！これからもぜひ読んでいただけたら嬉しいですo(^-^)o (2020年7月17日 22時) (
レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
myu(プロフ) - この、tnさんに向かって主人公が啖呵を切るシーン、すごい好きなんです。。どうしても抑えきれず、コメントしてしまいました。いつも、ありがとうございます!何卒、これからもよろしくお願いします!! (2020年7月17日 20時) (レス) id: 06bde988df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年5月24日 21時
