▽ ut side ページ9
ut side
『だ、大先生?』
ut「ごめん…また会えたんが嬉しくて…。ずっと、僕だけ記憶があって、置いてかれたような気がして違和感が拭えなかってん…。皆知ってる奴等なんに最初はやっぱりよそよそしくて…距離感とかわからんくて…。それでもまたアイツらと仲良うなって、それでええんやって思っとった。でもやっぱりどこか何かが足らんくて…。思い出してくれてありがとうな、Aちゃん」
背中を擦ってくれる彼女の手が、包み込んでくれる腕の中がとても暖かくて余計に涙が出てくる。
情けないとはわかっていても止められなかった。
それに…彼女に対してはまた別の、前世を覚えているからこその罪悪感もあった。
『いいえ。私こそ忘れててすみません。…でも、もう一人じゃないですから』
ut「…うん。…それにAちゃんには前世の事でも謝らなあかんねん」
『前世の事で?』
ut「…僕が重傷負ったのは覚えてるって言うたやろ?…あの後僕が意識がない間に、Aちゃんは…」
そこで言い淀むと、彼女は察したようだった。
『…死んだ…んですか…?』
ut「…せや。でも誰も原因がわからんねん。一人で出ていったらしいんやけど、ちょうどその時は敵国との戦争中で…敵国に乗り込んで王の首を取った…らしいねんけど、詳細は誰もわからんかった」
『私がそこを覚えていたらよかったんですけど…』
ut「…そのうち思い出すかもわからんし……ホントは思い出すまでは言わん方がよかったんかもしらんけど、少しは聞いとった方がまだショックは少ないかもと思って…。嫌な話してごめんな」
『いえ、教えてくれてありがとうございます』
ut「それとな、Aちゃん」
『はい』
ut「敬語なんて使わんでええよ。前みたいに喋ってや」
そう言って身体を離して彼女の顔を見ると彼女も静かに泣いていた。
僕は何とか笑顔を作って彼女の頭を撫でる。
『…うん。ありがとう大先生』
ut「こっちこそやで。今世でもよろしくな、Aちゃん」
『こちらこそ。…そういえば大先生は全部覚えてるの?』
ut「おん。全部覚えてるで。生まれた時から記憶あってん」
『そうだったんだ…。そういえば[他の皆]って…?』
ut「…あ、そうか。Aちゃん今日転校してきたから始業式出とらんかったんやな。皆同じ学校におるんやで。兄さんとロボロはわかるやろ?あとの幹部メンバーも、全員」
『マ、マジで…?』
そう言って驚いたAちゃんに、僕は揃った経緯を説明した。
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狐闇時 (こやみとき) ゾムさんすこ 歌い手目指してます! - まだ全部は読めてないのですが、むっちゃ面白いです!! ちょくちょくコメントかきにきていいですか。。。! 名前のところは狐闇時だけです!! (7月29日 21時) (レス) @page11 id: 558a88220b (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます!knさんは漸く思い出しました…先は長いですw (2020年5月17日 23時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 思い出してほしいですなぁ (2020年5月16日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - わぐさん» コメントありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!今は外出できないからこそこういう楽しみがあるのって大事ですよね…!お気遣いありがとうございます^^ (2020年5月16日 9時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - 紫【ゆかり】さん» 優しさ、大事っスな! (2020年5月16日 9時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:淋 | 作成日時:2020年5月5日 20時