▽ ut side ページ8
ut side
『今さっき、思い出したんです。全部じゃないんですが…。あの、やっぱり大先生は―』
ut「…覚えとるよ、全部。そっか。…そっかぁ……思い出したんか」
会いたい、今すぐに。
会って色々な事を話したい。
自分以外に前世の事がわかる人がいたのが嬉しくて、感極まって涙が出てくる。
それが好きな子だなんて尚更やない？
けど学校じゃなかなか話せないし……と思ったところで今の時刻を思い出す。
こんな早朝ならまだそんなに人はいないはず。
学校の近くに公園があったし、そこならきっと大丈夫やろ。
ut「Aちゃん、今外に出て来れる？学校の近くに公園があるんやけど、そこに…あ、来れたらでええねんけど…」
『大丈夫です、行きます！』
さすがにこんな時間に呼び出すのは迷惑かも…なんて考えが過ぎり受け身になった僕の提案を、しかし彼女は力強く肯定してくれた。
ついでだからそのまま学校行ったらええか、朝飯はコンビニででも買っていこう。
ut「それじゃそのまま学校行ったらええし、制服着てきてもらってもええ？朝ご飯はコンビニで適当に買ってくから」
『あ、じゃあ私も何か買っていきます』
ut「ええんよ、僕が無茶言ってるんやし。…それじゃ今から……一時間後くらいに来れる？」
『大丈夫です』
ut「ん。それじゃまた後でな」
そう言って通話を切り、急いで支度を始める。
制服に着替えて家を出て、コンビニでおにぎりやお茶を適当に買う。
待ち合わせの公園に着いた辺りから空が白み始めていた。
ベンチに座って彼女が来るのを待つ。
するとほどなくしてこちらに走ってくる人影が見えた。
『お、お待たせしてしまってすみません』
ut「ええよええよ。僕も今来たところやし。…とりあえず座って落ち着こか」
息を切らしている彼女をベンチに座らせて自分もその隣に座る。
彼女がだいぶ落ち着いてきたところで話を切り出した。
ut「Aちゃん、前世の事思い出したんやね」
『はい。夜に夢を見て、朝起きたら頭が痛くなって、その時に…。でも電話でも言ったんですが全部思い出せたわけじゃなくて部分的で…』
ut「どの辺までとかはわかる？」
『大先生と会って昇進式に出た…辺りははっきりと。あとは日常的なのがぼんやりと、ですね。それと…大先生が重傷を負った事を』
ut「そっか。徐々に戻るんか戻らんのかわからんけど…Aちゃん」
『はい』
そこで僕は彼女を抱きしめた。
今まで感じていた寂しさが溢れて自然と泣いていた。
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狐闇時 (こやみとき) ゾムさんすこ 歌い手目指してます！ - まだ全部は読めてないのですが、むっちゃ面白いです！！ ちょくちょくコメントかきにきていいですか。。。！ 名前のところは狐闇時だけです！！ (7月29日 21時) (
レス) @page11 id: 558a88220b (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます！knさんは漸く思い出しました…先は長いですｗ (2020年5月17日 23時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 思い出してほしいですなぁ (2020年5月16日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - わぐさん» コメントありがとうございます！読んでいただけて嬉しいです！今は外出できないからこそこういう楽しみがあるのって大事ですよね…！お気遣いありがとうございます＾＾ (2020年5月16日 9時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - 紫【ゆかり】さん» 優しさ、大事っスな！ (2020年5月16日 9時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：淋 | 作成日時：2020年5月5日 20時
