▽ ut side ページ37
ut side
屋上へのドアを開けたらすぐそこに彼女がいた。
来てすぐに座り込んでしまったようだ。
ゆっくりとこちらを見上げた彼女の目は涙で潤んでいた。
『だい、せんせ…。…!?』
とりあえず彼女を横抱きしてドアを閉める。
そして少し離れた所に下ろして抱きしめた。
彼女もぎゅっと僕の服を掴んで肩に顔を埋めて静かに泣いている。
ut「ごめんな。もうちょっと僕がはっきり言えばよかったんやけど…」
『うう、ん…だいせんせ、わるく、ない…ぅ…。で、でも…』
ut「うん」
『いっぱい、ひどい、こと、言っちゃった…。き、嫌われた、かな…』
ut「大丈夫。今回のはAちゃんは悪くないし、トンちも徹夜結構してたみたいやから頭も働いとらんかったんやろ。きっと冷静になればわかってくれるはずや。そしたら謝ったらええ。そやろ?」
『う、うん…』
ut「とりあえず今日は落ち着いたら帰ろ?美味しいもんでも食べて、ゆっくり寝たらええ。なんならまた電話してきてええよ?いくらでも付き合ったる」
『ん……。ありがと、大先生。…あと、ごめんね』
ut「…それは何に対して?」
『私が、もっとちゃんと説明出来てたら…。もっと穏やかに言えてたら、大先生が悪く言われることもなかったのに』
ut「そんなん気にせんでええよ。…でも、ありがとうな。僕の為に怒ってくれて」
『ん…。何か、前世でもこんな事、あったよね』
ut「っふふ。あったあった。そう言えばシチュエーションも似てた気がするわ。あん時も…そういやトントンにぶち切れとったなぁ」
『その辺りはまだ…はっきりとは思い出せないけど、めっちゃ怒ってた気がする』
ut「せやねぇ。そんで僕が追っかけてって…こうやって慰めて」
『そっか…。何か大先生にはお世話になりっぱなしだなぁ』
ut「気にせんでええよ。僕がやりたいだけやから。さて…。そろそろ入って来たらどうや?エミさん」
『え?』
先程からずっと感じていた気配。
それはエーミールのもので、たぶん気遣って待っていたんだろう。
僕がそう言えばゆっくりとドアが開いてエミさんが入ってくる。
em「すみません。水を差すのもどうかと思いまして…。もうだいぶ落ち着かれましたか?」
『エミさん、ありがとう。うん』
ut「ほんじゃ帰ろか〜。あ、荷物取って来んとあかんな。教室寄ってから帰ろ」
『うん』
そうして僕らは屋上を後にした。
だがこの時、別の気配もあった事に僕は気付かなかった。
??「前世って何の事や…?」
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狐闇時 (こやみとき) ゾムさんすこ 歌い手目指してます! - まだ全部は読めてないのですが、むっちゃ面白いです!! ちょくちょくコメントかきにきていいですか。。。! 名前のところは狐闇時だけです!! (7月29日 21時) (レス) @page11 id: 558a88220b (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます!knさんは漸く思い出しました…先は長いですw (2020年5月17日 23時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 思い出してほしいですなぁ (2020年5月16日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - わぐさん» コメントありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです!今は外出できないからこそこういう楽しみがあるのって大事ですよね…!お気遣いありがとうございます^^ (2020年5月16日 9時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
淋(プロフ) - 紫【ゆかり】さん» 優しさ、大事っスな! (2020年5月16日 9時) (レス) id: 581caf22ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:淋 | 作成日時:2020年5月5日 20時